21.2. 逆引きマスターゾーンの追加

逆引きマスターゾーンを追加するには、新規ボタンをクリックして、 逆引きマスターゾーンを選択します。設定するIPアドレスの範囲の 最初の3つのオクテットを入力します。たとえば192.168.10.0/255.255.255.0というIPアドレスの 範囲の設定を行う場合、IPアドレス(最初の3つのオクテット)テキストエリアに 192.168.10と入力します。

図21-3の新しいウィンドウが表示されます。このウィンドウには、以下のオプションが表示されます:

  1. IPアドレス —以前のウィンドウに入力した最初の3つのオクテット

  2. 逆引きIPアドレス —編集不可。入力されたIPアドレスで充填されています。

  3. 連絡先 —マスターゾーンの主な連絡先の電子メールアドレス

  4. ファイル名/var/namedディレクトリ内に置かれるDNSデータベースファイルのファイル名。

  5. プライマリネームサーバ-(SOA) —SOA(State of authority)レコード。 これは、このドメインに関する最良の情報源であるネームサーバーを指定するものです。

  6. シリアル番号 — DNSデータベースファイルのシリアル番号。この番号は、ゾーンの スレーブネームサーバーが最新のデータを取得できるようにするために、ファイルの変更のたびにインクリメントする 必要があります。設定の変更のたびに、>Bind 設定ツールによって、 この番号はインクリメントされます。シリアル番号の隣にある設定 ボタンをクリックして、この番号を手動でインクリメントすることもできます。

  7. 時間設定— DNSデータベースファイル内に保存される更新再試行期限切れ最小(TTL:Time to Live、有効期限)の値。

  8. ネームサーバー — 逆引きマスターゾーンのネームサーバの追加、編集、削除。 少なくともネームサーバが1つ必要です。

  9. 逆引きアドレステーブル — 逆引きマスターゾーン内のIPアドレスとそのホスト名の一覧。 例えば、192.168.10と言う逆引きマスターゾーンについて逆引きアドレステーブルに 192.168.10.1とホスト名one.example.comを追加することが出来ます。ホスト名の最後にはピリオド(.)を付加し、 それがフルホスト名であることを指定する必要があります。

図 21-3. 逆引きマスターゾーンの追加

プライマリネームサーバ(SOA)を指定する必要があります。そして ネームサーバセクション内の追加ボタンを クリックして、少なくとも1つのネームサーバ記録を指定する必要があります。

逆引きマスターゾーンの設定が終了したら、OKボタンをクリックして 図21-1に示してあるようにメインウィンドウに戻ります。プルダウンメニューから 保存ボタンをクリックして/etc/named.conf設定ファイルに 書き込み、さらに/var/namedディレクトリ内の個々のゾーンファイルを全て書き込み、 デーモンに設定ファイルをリロードさせます。

この設定は/etc/named.confの中に次と似たようなエントリを作成します:

zone  "10.168.192.in-addr.arpa" {
        type master;
        file  "10.168.192.in-addr.arpa.zone";
};

この設定で、以下の情報を含むファイル /var/named/10.168.192.in-addr.arpa.zoneも作成されます。

$TTL 86400
@       IN      SOA     ns.example.com. root.localhost (
                        2 ; serial
                        28800 ; refresh
                        7200 ; retry
                        604800 ; expire
                        86400 ; ttk
                        )


@       IN      NS      ns2.example.com.

1       IN      PTR     one.example.com.
2       IN      PTR     two.example.com.