レスキューモードは、システムのハードドライブからブートする代わりに、全面的にフロッピィディスク、 CD-ROM、又は、他のブート方法で小規模のRed Hat Linux環境をブートする機能を提供します。
名前が示すように、レスキューモードは、ある状態からユーザーをレスキュー(救助)するためのものです。通常の運用では、Red Hat Linuxシステムはプログラムの実行、ファイルの保存など、どのような操作を行うにもシステムのハードディスクドライブにあるファイルを使用します。
しかし、システムのハードドライブのファイルにアクセスするのに充分にRed Hat Linuxを稼働することが 出来ない時もあり得ます。レスキューモードを使用すれば、実際にはハードドライブから直接 Red Hat Linuxを実行できなくてもシステムのハードドライブ上に保存してあるファイルにアクセス出来ます。
レスキューモードでブートするには、以下の方法のいずれかを使用してシステムをブート できる必要があります:
bootdisk.imgイメージから作成したインストールブートディスク からシステムをブートする。 [1]
インストールブートCD-ROMからシステムをブートする [2]
Red Hat LinuxのCD-ROM 1枚目からシステムをブートする。
以上に説明した方法の1つでブートしたら、インストールブートプロンプトで 次のコマンドを入力します:
linux rescue |
言語などを含む、幾つかの簡単な質問に答えるように要求されます。また、どこに 有効なレスキューイメージがあるか選択するように要求されます。Local CD-ROM, Hard Drive, NFS image, FTP, あるいは HTTPの中から選択します。 その場所は、有効なインストールツリーを含んでいる必要があり、そのインストールツリーは ブート元になる Red Hat Linux CD-ROM 1枚目と同じRed Hat Linux バージョンのものでなければなりません。 レスキューモードを開始するのに、ブートCD-ROMかブートディスクを使用した場合は、 インストールツリーはそのメディアの作成元であるツリーと同じである必要が あります。ハードドライブ、 NFSサーバ、 FTPサーバ、HTTPサーバなどでインストール ツリーを設定する方法についてはRed Hat Linux インストールガイドを参照して下さい。
ネットワークの接続を必要としないレスキューイメージを選択した場合は、ネットワーク 接続を使用したいかどうかを尋ねられます。ネットワークの接続は例えば、別のコンピュータに バックアップをしたり、共有ネットワークの場所からRPMパッケージをインストールしたり するのに役に立ちます。
そして、次のようなメッセージが表示されます:
The rescue environment will now attempt to find your Red Hat Linux installation and mount it under the directory /mnt/sysimage. You can then make any changes required to your system. If you want to proceed with this step choose 'Continue'. You can also choose to mount your file systems read-only instead of read-write by choosing 'Read-only'. If for some reason this process fails you can choose 'Skip' and this step will be skipped and you will go directly to a command shell. |
Continueを選択すると、ファイルシステムが/mnt/sysimageディレクトリに マウントされる試みがあります。パーティションのマウントが失敗した場合、その通知があります。Read-Onlyを 選択すると、ファイルシステムは/mnt/sysimageディレクトリにマウントされますが、読み取り専用 モードです。Skipを選択すると、ファイルシステムはマウントされません。ファイルシステムが 破損していると思われる場合は、Skipを選択します。
システムがレスキューモードに入ると、VC(仮想コンソール)1とVC 2に次のプロンプトが表示されます(VC 1にアクセスするには
-/bin/sh-2.05b# |
Continueを選択した場合はパーティションが自動的にマウントされ、正常にマウントされると、システムはシングルユーザーモードに入ります。
ファイルシステムがマウントされていても、レスキューモードにいる間のデフォルトのルートパーティションは 一時的なルートパーティションであり、通常のユーザーモード(ランレベル 3から5)で使用するファイルシステムの ルートパーティションではありません。ファイルシステムをマウントする選択をして正常にマウントすると、 以下のコマンドを使用することによって、レスキューモード環境のルートパーティションをファイルシステムの ルートパーティションに変更することが出来ます。
chroot /mnt/sysimage |
これは、ルートパーティションが/としてマウントされることが 要求されるrpmコマンドを実行する必要が有る場合に役に立ちます。 chroot環境を終了するには、 exitと入力するとプロンプトに戻ります。
Skipを選択した場合でも、まだレスキューモードの中で手動で パーティションをマウントすることが出来ます。これは/foo などのディレクトリを作成して、次のコマンドを使用して実行します:
mount -t ext3/dev/hda5/foo |
上記のコマンドで、/fooはユーザーが作成したディレクトリ、/dev/hda5はマウントするパーティションです。パーティションがext2タイプの場合、ext3ではなくext2を指定します。
パーティションの名前が不明な場合は、次のコマンドを実行すれば一覧が表示されます。
fdisk -l |
プロンプトから、次のような多くの役に立つコマンドを実行することが出来ます。
list-harddrivesシステム内のハードドライブを一覧表示します
ssh,scp及び pingネットワークが開始している場合
dump と restoreテープドライブのユーザー用
parted と fdisk パーティションの管理用
rpm ソフトウェアのインストール又はアップグレード用
joe設定ファイルの編集用。 (他のポピュラーなエディタである emacs、 pico、あるいは viなどを スタートしようとするとjoeエディタが開始されます。)
[1] | インストールブートディスクを作成するには、 空のフロッピィディスクを挿入して Red Hat Linux の CD-ROMの1枚目にあるimages/bootdisk.imgファイルを dd if=bootdisk.img of=/dev/fd0コマンドでフロッピィに コピーします。 |
[2] | インストールブートCD-ROMを作成する方法は、Red Hat Linux インストールガイドの 案内を参照して下さい。 |