7.10. キックスタートインストールの開始

キックスタートインストールを開始するには、 Red Hat Linuxブートディスク(フロッピー)、Red Hat LinuxブートCD-ROM、 Red Hat LinuxCD-ROM #1からシステムをブートして ブートプロンプトで特別のブートコマンドを 入力しなければなりません。 ksコマンドライン引数が カーネルに渡ると、インストールプログラム がキックスタートファイルをさがします。

ブートディスク(フロッピー)

キックスタートファイルが 項7.8.1で示す ようにブートディスク(フロッピー)にある場合は、 ドライブにあるフロッピーでシステムを起動して、 次のコマンドをboot:プロンプト で入力します。

linux ks=floppy
CD-ROM #1 とフロッピーディスク

linux ks=floppy コマンドは、ks.cfgファイルが フロッピーディスクにあるvfatファイルシステムまたは ext2ファイルシステムにあり、Red Hat Linux CD-ROM #1 から ブートする場合にも使用できます。

代わりのブートコマンドは、Red Hat Linux CD-ROM #1を ブートしてフロッピーディスク上にあるvfatまたはext2 ファイルシステムのキックスタートファイルを取り出します。 実行するには、次のコマンドをboot: プロンプトで入力します。

linux ks=hd:fd0:/ks.cfg

ドライバディスクを使用

キックスタートでドライバディスクを 使用する必要がある場合は、dd オプションも指定します。例えば、 ブートディスクをブートしてドライバディスク 使用するには、以下のコマンドをboot: プロンプトで入力します。

linux ks=floppy dd
ブートCD-ROM

キックスタートファイルが 項7.8.2で示す ようにブートCD-ROMにある場合は、CD-ROMをシステム に挿入してシステムをブートし、次のコマンドを boot:プロンプトで入力します (ks.cfgはキックスタート ファイルの名前)。

linux ks=cdrom:/ks.cfg

キックスタートインストールを開始するその他の オプションは以下の通りです。

ks=nfs:<server>:/<path>

インストールプログラムは、キックスタートファイル としてNFSサーバー<server>上の <path>ファイルを検索します。 インストールプログラムはDHCPを使用してイーサネットカードを 設定します。たとえば、NFSサーバーがserver.example.comで、 キックスタートファイルがNFS共有の/mydir/ks.cfg にある場合、正しいブートコマンドは ks=nfs:server.example.com:/mydir/ks.cfg となります。

ks=http://<server>/<path>

インストールプログラムは、キックスタートファイルとして HTTPサーバー<server>上の <path>ファイルを検索します。 インストールプログラムはDHCPを使用してイーサネットカードを 設定します。たとえば、HTTPサーバーがserver.example.comで、 キックスタートファイルがHTTPディレクトリの /mydir/ks.cfgにある場合、正しいブートコマンドは ks=http:server.example.com:/mydir/ks.cfg となります。

ks=floppy

インストールプログラムは、/dev/fd0 にあるフロッピーディスク上のVFATかext2ファイル システム上でks.cfgファイルを検索します。

ks=floppy:/<path>

インストールプログラムは、キックスタートファイルとして /dev/fd0にあるフロッピーディスク上の <path>ファイルを検索します。

ks=hd:<device>:/<file>

インストールプログラムは、<device> 上にファイルシステムをマウントし(VFATまたはext2 であることが必須)、キックスタート設定ファイルとして、 そのファイルシステム上で<file> を検索します(たとえばks=hd:sda3/mydir/ks.cfg)。

注意注意
 

2番目のコロンはRed Hat Linux 9の構文変更です。

ks=file:/<file>

インストールプログラムは、ファイルシステムから <file>ファイルを読み込もうと します。マウントは行なわれません。キックスタートファイルが すでにinitrdイメージ上に存在する場合は、 通常、この方法を使います。

ks=cdrom:/<path>

インストールプログラムは、キックスタートファイルとして CD-ROM上の<path>ファイルを 検索します。

ks

ksを単独で使用した場合、 インストールプログラムはDHCPを使ってシステム内のイーサネット カードを設定します。システムはDHCPレスポンスから「bootServer」を NFSサーバーとして使い、キックスタートファイルを読み込みます (デフォルトでは、これはDHCPサーバーと同じです)。キックスタート ファイルの名前は次のいずれかです。

  • DHCPを指定し、bootfileが「/」 で始まる場合は、DHCPで入手するブートファイルがNFSサーバー 上で検索されます。

  • DHCPを指定し、bootfileが/ 以外の文字で始まる場合、DHCPで入手する ブートファイルがNFSサーバー上の/kickstart ディレクトリ上で検索されます。

  • DHCPでbootfileを指定していない場合、 インストールプログラムは /kickstart/1.2.3.4-kickstartファイル を読み込もうとします。ここで、1.2.3.4 はインストール先のコンピュータの数値 IPアドレスです。

ksdevice=<device>

インストールプログラムはこのネットワークデバイスを使って、 ネットワークに接続します。例えば、eth1デバイスを通してシステムに 接続されている NFSサーバ上のキックスタートファイルでキックスタート インストールを開始するには、boot:プロンプトで コマンドの ks=nfs:<server>:/<path> ksdevice=eth1を使用します。