B.5. 公開鍵のエクスポート

公開鍵暗号方式を使用するには、相手が公開鍵のコピーを持っている必要があります。 通信相手やキーサーバーに鍵を送信するには、鍵をエクスポート しなければいけません。

以下のコマンドを入力して鍵をエクスポートすれば、鍵をWebページで表示したり、 電子メールに貼り付けることができます。

gpg --armor --export <you@example.com> > mykey.asc

公開鍵はエクスポートされ、この例ではmykey.ascファイルに 出力がリダイレクトされるため、画面には何も表示されません。 (>mykey.ascを省略すると、鍵は標準出力のディスプレイ 画面に表示されます)。

これで、mykey.ascファイルを電子メールに挿入したり、 キーサーバーにエキスポートしたりできるようになりました。鍵を表示するには、 シェルプロンプトでless mykey.ascと入力して、ページャで ファイルを開きます(ページャを閉じるには、[q]キーを入力します)。 以下のようになります:

-----BEGIN PGP PUBLIC KEY BLOCK-----
Version: GnuPG v1.0.1 (GNU/Linux)
Comment: For info see http://www.gnupg.org
	
mQGiBDkHP3URBACkWGsYh43pkXU9wj/X1G67K8/DSrl85r7dNtHNfLL/ewil10k2
q8saWJn26QZPsDVqdUJMOdHfJ6kQTAt9NzQbgcVrxLYNfgeBsvkHF/POtnYcZRgL
tZ6syBBWs8JB4xt5V09iJSGAMPUQE8Jpdn2aRXPApdoDw179LM8Rq6r+gwCg5ZZa
pGNlkgFu24WM5wC1zg4QTbMD/3MJCSxfL99Ek5HXcB3yhj+o0LmIrGAVBgoWdrRd
BIGjQQFhV1NSwC8YhN/4nGHWpaTxgEtnb4CI1wI/G3DK9olYMyRJinkGJ6XYfP3b
cCQmqATDF5ugIAmdditnw7deXqn/eavaMxRXJM/RQSgJJyVpbAO2OqKe6L6Inb5H
kjcZA/9obTm499dDMRQ/CNR92fA5pr0zriy/ziLUow+cqI59nt+bEb9nY1mfmUN6
SW0jCH+pIQH5lerV+EookyOyq3ocUdjeRYF/d2jl9xmeSyL2H3tDvnuE6vgqFU/N
sdvby4B2Iku7S/h06W6GPQAe+pzdyX9vS+Pnf8osu7W3j60WprQkUGF1bCBHYWxs
YWdoZXIgPHBhdWxnYWxsQHJlZGhhdC5jb20+iFYEExECABYFAjkHP3UECwoEAwMV
AwIDFgIBAheAAAoJEJECmvGCPSWpMjQAoNF2zvRgdR/8or9pBhu95zeSnkb7AKCm
/uXVS0a5KoN7J61/1vEwx11poLkBDQQ5Bz+MEAQA8ztcWRJjW8cHCgLaE402jyqQ
37gDT/n4VS66nU+YItzDFScVmgMuFRzhibLblfO9TpZzxEbSF3T6p9hLLnHCQ1bD
HRsKfh0eJYMMqB3+HyUpNeqCMEEd9AnWD9P4rQtO7Pes38sV0lX0OSvsTyMG9wEB
vSNZk+Rl+phA55r1s8cAAwUEAJjqazvk0bgFrw1OPG9m7fEeDlvPSV6HSA0fvz4w
c7ckfpuxg/URQNf3TJA00Acprk8Gg8J2CtebAyR/sP5IsrK5l1luGdk+l0M85FpT
/cen2OdJtToAF/6fGnIkeCeP1O5aWTbDgdAUHBRykpdWU3GJ7NS6923fVg5khQWg
uwrAiEYEGBECAAYFAjkHP4wACgkQkQKa8YI9JamliwCfXox/HjlorMKnQRJkeBcZ
iLyPH1QAoI33Ft/0HBqLtqdtP4vWYQRbibjW
=BMEc
-----END PGP PUBLIC KEY BLOCK-----

B.5.1. キーサーバーへのエクスポート

通信相手が少数であれば、公開鍵をエクスポートした後で個別に送信するとよいでしょう。 しかし、通信相手が大勢の場合は、公開鍵の配布に時間がかかります。その場合は、 キーサーバーを使うと便利です。

キーサーバーとは、インターネット上の保管所であり、ここで公開鍵を保管したり、 要求する人に対して公開鍵を配布したりすることができます。多くのキーサーバーが 利用できますが、そのほとんどは互いに同期を取るようにしているので、1つの キーサーバーに公開鍵を送れば、すべてのキーサーバーに配布できます。通信相手は、 キーサーバーに対して公開鍵を要求し、取得した鍵をキーリングにインポートすること ができます。これで安全な通信のための準備は完了です。

ティップヒント
 

ほとんどのキーサーバーは互いに同期を取っており、1つのキーサーバーに送れば、 通常すべてのキーサーバーに配布できます。しかし、別のキーサーバーを検索することは できます。キーサーバーと関連情報を検索する場所として、「Keyserver.Net」 (http://www.keyserver.net)があります。

シェルプロンプトかWebブラウザのどちらを使用しても公開鍵を送ることができますが、 キーサーバーを利用して鍵を送受信するには、インターネットに接続している 必要があります。

図 B-1. 公開鍵のコピー

別のWebベースのキーサーバーに公開鍵を登録する場合でも 基本的に上記と同様にして行えます。

必要な作業は以上でおしまいです。鍵が正しく登録されたことを知らせるメッセージが、 シェルプロンプトの場合はシェルプロンプトに、Webの場合はキーサーバーのWebページに 表示されます。これで、安全な通信を希望する通信相手は、キーサーバーに登録された 公開鍵をインポートして、キーリングに追加できるようになりました。