Kickstartファイルには、次のオプションを記述することができます。
システムに関する認証オプションをセットアップします。インストール後に使うauthconfig コマンドと似ています。デフォルトの場合、パスワードは通常の暗号化がされ、シャドウ化はされません。
ユーザーのパスワードにmd5暗号化を使います。
NISサポートを有効にします。--enablenisを指定すると、そのままでは、ネットワーク上で見つかる任意のドメインを使うことになるので、必ず --nisdomainでドメインを指定してください。
NISサービスに使うNISドメインの名前。
NISサービスに使うサーバー(デフォルトではブロードキャスト)。
シャドウパスワードを使います。
/etc/nsswitch.conf中のLDAPサポートを有効にします。システムはユーザーに関する情報(UID、ホームディレクトリ、シェルなど)をLDAPディレクトリから取り出すことができるようになります。このオプションを使うには、nss_ldapパッケージをインストールしておく必要があります。サーバーとベースDNも指定しなければなりません。
認証手段としてLDAPを使います。この場合、LDAPディレクトリを使ってパスワードを認証し、変更するためのpam_ldapモジュールが有効になります。このオプションを使うためには、nss_ldapパッケージをインストールしておく必要があります。サーバーとベースDNも指定しなければなりません。
--enableldapまたは--enableldapauth のどちらかを指定した場合、利用するLDAPサーバーの名前。このオプションは/etc/ldap.conf ファイルで設定します。
ユーザー情報の格納場所であるLDAPディレクトリツリーにおけるDN(識別名)。このオプションは/etc/ldap.confファイルで設定します。
Kerberos 5を使って、ユーザーを認証します。Kerberos自体にはホームディレクトリ、UID、またはシェルという考え方がありません。そこで、Kerberosを有効にするときは、LDAP、NIS、Hesiodなども有効に設定して、ワークステーションにユーザーのアカウントを認識させる必要があります。あるいは、そのためのコマンド/usr/sbin/useraddコマンドを使ってください。このオプションを使うためには、pam_krb5パッケージをインストールしておく必要があります。
ワークステーションの所属先であるkerberos 5のrealm(領域)。
realmへの要求に対してサービスを提供するKDC(複数可)。realm内に複数のKDCがある場合には、名前と名前をカンマ(,)で区切って指定します。
realmに属するKDCで、kadmindが動作しているもの。このサーバーはパスワードの変更やその他の管理関連要求を取り扱います。複数のKDCがある場合には、マスタKDC上だけで動作します。
ユーザーのホームディレクトリ、UID、シェルをルックアップするためのHesiodサポートを有効にします。ネットワークでのHesiodの設定と利用に関して、詳しくはglibcパッケージの/usr/share/doc/glibc-2.x.x/README.hesiodを参照してください。HesiodはDNSの拡張機能であり、DNSレコードを使用してユーザーやグループなどの各種項目に関する情報を保存します。
Hesiod LHS(Left-hand side)オプション。/etc/hesiod.conf で設定します。このオプションは、Hesiodライブラリが情報を検索する際に、DNSを検索するための名前を決定するために使用されます。LDAPによるベースDNの使用法と似ています。
Hesiod RHS(right-hand side)オプション。/etc/hesiod.conf で設定します。このオプションは、Hesiodライブラリが情報を検索する際に、DNSを検索するための名前を決定するために使用されます。LDAPによるベースDNの使用法と似ています。
ヒント | |
---|---|
たとえば、「jim」に関するユーザー情報を検索する場合、Hesiodライブラリはjim.passwd<LHS><RHS>を検索します。これにより、passwdエントリに似たTXTレコード(jim:*:501:501:Jungle Jim:/home/jim:/bin/bashが得られます。グループの場合も、jim.group<LHS><RHS>を使うことを除くと、同じです。 番号によるユーザーとグループのルックアップは、「jim.passwd」のCNAMEとして「501.uid」を作成し、「jim.group」のCNAMEとして「501.gid」を作成することによって処理されます。ライブラリが検索対象の名前を決定する際に、LHSとRHSの前にピリオド(.が付けられないこと、したがって通常LHSとRHSがピリオドで始まることに注意してください。 |
新しいパーティションを作る前に、システムからパーティションを削除します。デフォルトでは、どのパーティションも削除されません。
Linux(タイプ0x82、0x83、0xfd[RAID])パーティションが削除されます
システムのすべてのパーティションが削除されます。
ほとんどのPCIシステムの場合、インストールプログラムはイーサネットカードやSCSIカードを自動的に正しく検出します。ただし、古いシステムや、ある種のPCIシステムの場合、Kickstartは適切なデバイスを検出するためのヒントを必要とします。deviceコマンドはAnacondaに対して、特別なモジュールをインストールするように指示します。形式は次のとおりです。
device <type> <moduleName> --opts <options> |
<type>は「scsi」または「eth」のどちらかです。また、 <moduleName>はインストールすべきカーネルモジュールの名前です。
カーネルモジュールに渡すオプション。複数のオプションを渡すときは、引用符で囲みます。たとえば、次のようにします。
--opts "aic152x=0x340 io=11" |
Kickstartの実行時にドライバディスクを使うには、 ドライバディスクの内容をシステムのハードディスクドライブ上のパーティションのルートディレクトリにコピーします。そして、driverdiskコマンドを使ってインストールプログラムにディスクの検索場所を指定します。
driverdisk <partition> [--type <fstype> ] |
<partition>はドライバディスクを含むパーティションです。
ファイルシステムのタイプ(たとえば、vfatまたはext2)。
ファイアウォールのオプションもKickstartで設定できます。この設定は、インストールプログラムの[Firewall Configuration]画面に対応します。
firewall [--high | --medium | --disabled] [--trust <device> ] [--dhcp] [--ssh] [--telnet] [--smtp] [--http] [--ftp] [--port <portspec> ] |
次のセキュリティレベルから1つ選びます。
--high
--medium
--disabled
このリストにデバイス、たとえばeth0など、を載せると、すべてのトラフィックがそのデバイスからファイアウォールを通って届きます。複数のデバイスを載せるときは、--trust eth0 --trust eth1のようにします。次のような、--trust eth0, eth1コンマで区切った形にしてはいけません。
これらのオプションを有効にすると、指定のサービスはファイアウォールを通過できるようにできます。
--dhcp
--ssh
--telnet
--smtp
--http
--ftp
ファイアウォールの通過を許可するポートは、port:protocolの形式で指定します。たとえば、ファイアウォールを通してIMAPへアクセスできるようにしたいのなら、imap:tcpと指定します。ポートを数値で直接指定することもできます。たとえば、ポート1234上でUDPを許可するなら、1234:udpとします。ポートが複数ある場合は、ポート間をカンマで区切ります。
システムに対し、既存システムのアップグレードではなく、新規システムをインストールすることを指示します。これがデフォルトのモードです。
次の4つのコマンドのいずれかを使い、実行するKickstartのタイプを指定しなければなりません。
指定したNFSサーバーからインストールします。
--server <server>
インストール元とするサーバー(ホスト名またはIP)。
--dir <dir>
Red Hatのインストールツリーを含むディレクトリ。
たとえば、次のようにします。
nfs --server <server> --dir <dir> |
システムの最初のCD-ROMドライブからインストールします。
たとえば、次のようにします。
cdrom |
ローカルドライブ上のRed Hatインストールツリーからインストールします。vfatまたはext2でなければなりません。
--partition <partition>
インストール元のパーティション(sdb2など)。
--dir <dir>
Red Hatのインストールツリーを含むディレクトリ。
たとえば、次のようにします。
harddrive --partition <partition> --dir <dir> |
FTPまたはHTTP経由でリモートサーバー上のRed Hatインストールツリーからインストールします。
たとえば、次のようにします。
url --url http://<server>/<dir> |
url --url ftp://<username>:<password>@<servername>;/<dir> |
システムのキーボードタイプを設定します。i386マシンやAlphaマシン上で利用可能なキーボードの一覧を、次に示します。
azerty、be-latin1、be2-latin1、fr-latin0、fr-latin1、fr-pc、fr、 wangbe、ANSI-dvorak、dvorak-l、dvorak-r、dvorak、pc-dvorak-latin1、 tr_f-latin5、trf、bg、cf、cz-lat2-prog、cz-lat2、defkeymap、 defkeymap_V1.0、dk-latin1、dk. emacs、emacs2、es、fi-latin1、fi、 gr-pc、gr、hebrew、hu101、is-latin1、it-ibm、it、it2、jp106、 la-latin1、lt、lt.l4、nl、no-latin1、no、pc110、pl、pt-latin1、 pt-old、ro、ru-cp1251、ru-ms、ru-yawerty、ru、ru1、ru2、ru_win、 se-latin1、sk-prog-qwerty、sk-prog、sk-qwerty、tr_q-latin5、tralt、 trf、trq、ua、uk、us、croat、cz-us-qwertz、de-latin1-nodeadkeys、 de-latin1、de、fr_CH-latin1、fr_CH、hu、sg-latin1-lk450、 sg-latin1、sg、sk-prog-qwertz、sk-qwertz、slovene |
SPARCマシン用の一覧を次に示します。
sun-pl-altgraph、sun-pl、sundvorak、sunkeymap、sunt4-es、 sunt4-no-latin1、sunt5-cz-us、sunt5-de-latin1、sunt5-es、 sunt5-fi-latin1、sunt5-fr-latin1、sunt5-ru、sunt5-uk、sunt5-us-cz |
インストールする際のの言語を設定します。ここで指定する言語でインストールが行なわれます。たとえば、Kickstartファイルに以下の行を組み込むと、言語は日本語に設定されます。
lang ja_JP.eucJP |
有効な言語コードは次のとおりです(これは、いつでも変更可能だという点に注意)。
cs_CZ、da_DK、en_US、fr_FR、de_DE、hu_HU、is_IS、it_IT、 ja_JP.eucJP、no_NO、ro_RO、sk_SK、sl_SI、sr_YU、es_ES、 ru_RU.KOI8-R、uk_UA.KOI8-U、sv_SE、tr_TR |
インストールするシステムのデフォルトの言語を設定します。ここで指定する言語は、システムのインストール後に使われるデフォルトの言語です。たとえば、Kickstartファイルに以下の行を組み込むと、言語は日本語に設定されます。
langsupport ja_JP.eucJP |
有効な言語コードは次のとおりです(これは、いつでも変更可能だという点に注意)。
cs_CZ、da_DK、en_US、fr_FR、de_DE、hu_HU、is_IS、it_IT、 ja_JP.eucJP、no_NO、ro_RO、sk_SK、sl_SI、sr_YU、es_ES、 ru_RU.KOI8-R、uk_UA.KOI8-U、sv_SE、tr_TR |
LILOブートレコードを書き込む場所を指定します。デフォルトでは、LILOは最初のディスクのMBRにインストールされます。DOSパーティション(Dos/Windowsシステムは、dosプロンプトでユーザーがLILO:と入力すれば起動されます)があれば、デュアルブートシステムとなるようにインストールされます。
カーネルパラメータを指定します。
LILOのlinearオプションを使用します。これは下位互換性を目的としています(現在linearはデフォルトで使用されます)。
LILOのnolinearオプションを使用します。現在、デフォルトでは、linearが使われます。
LILOブートレコードを書き込む場所を指定します。指定できるのは、mbr(デフォルト)とpartition(カーネルを含むパーティションの最初のセクタにブートローダをインストールします)です。locationを指定しないと、LILOはインストールされません。
このlilocheckを指定すると、インストールプログラムは最初のハードディスクドライブのMBR上にLILOがあるかどうかをチェックし、あった場合にはシステムをリブートします。この場合インストールは実行されません。このオプションを指定しておけば、Kickstartによってインストール済みのシステムが再インストールされてしまうことが避けられます。
GUIモードとテキストモードの両方に対して、マウスを設定します。オプションは次のとおりです。
マウスの接続先デバイス(--device ttyS0など)。
これを指定すると、X Window Systemは、左右のマウスボタンの同時クリックを中央ボタンの押下としてエミュレートします。2ボタンマウスを使っている場合は、指定する必要があります。
オプションの後ろに、次のマウスタイプを指定することができます。
alpsps/2、ascii、asciips/2、atibm、generic、generic3、 genericps/2、generic3ps/2、geniusnm、geniusnmps/2、 geniusnsps/2、thinking、thinkingps/2、logitech、 logitechcc、logibm、logimman、logimmanps/2、logimman+、 logimman+ps/2、microsoft、msnew、msintelli、msintellips/2、 msbm、mousesystems、mmseries、mmhittab、sun、none |
引数なしでmouseコマンドを指定するか、mouseコマンドを省略した場合は、インストールプログラムはマウスを自動検出します。最近のマウスであればほとんどは検出されます。
システムのネットワーク情報を設定します。このオプションを指定せず、しかもKickstartインストールでネットワークを必要としない(つまり、NFS経由のインストールではない)場合、ネットワークは設定されません。インストールにネットワークが必要な場合は、Red Hat Linuxインストールプログラムは動的IPアドレス(BOOTP/DHCP)を使ってeth0経由でインストールが実行されるものと見なします。また、最終的にインストールされたシステムは、IPアドレスが動的に決定されるように設定します。このnetworkコマンドは、ネットワーク経由のKickstartの実行と、最終的にインストールされたシステムのためのネットワーク情報を設定するものです。
dhcp、bootp、staticのいずれか(デフォルトはdhcpで、dhcpとbootpは同じものとして扱われます)。静的なIP情報を使用するためには、static でなければなりません。
インストール用のイーサネットデバイスを指定します。インストールプログラムはネットワークを設定してからKickstartファイルを検索するので、Kickstartファイルがローカルファイル(ks=floppyなど)の場合を除くと--device <device>は無意味なことに注意してください。たとえば、次のようにします。
network --bootproto dhcp --device eth0 |
インストール先コンピュータのIPアドレス。
デフォルトゲートウェイのIPアドレス。
プライマリネームサーバーのIPアドレス。
インストールされるシステムのネットマスク。
インストールされるシステムのホスト名。
ネットワークの設定には3つの方法があります。
DHCP
BOOTP
static
DHCPを使う場合は、DHCPサーバーシステムからネットワーク設定情報を取得します。すぐわかるように、BOOTPを使う場合も同様であり、ネットワーク設定情報を取得するためにはBOOTPサーバーが必要です。
静的アドレスを使う場合は、必要なネットワーク情報のすべてをKickstartファイルに記述しておく必要があります。名前のとおりこの情報は静的であり、インストール中だけでなくインストール後も使われます。
システムがDHCPを使ってネットワーク設定情報を取得するようにするには、次の行を指定します。
network --bootproto dhcp |
システムがBOOTPを使ってネットワーク設定情報を取得するようにするには、Kickstartファイルで次の行を指定します。
network --bootproto bootp |
すべてのネットワーク設定情報を1行で指定しなければならないので、静的ネットワーク設定用の行は複雑です。次の情報を指定する必要があります。
IPアドレス
ネットマスク
ゲートウェイIPアドレス
ネームサーバーIPアドレス
静的な設定の例を次に示します。
network --bootproto static --ip 10.0.2.15 --netmask 255.255.255.0 --gateway 10.0.2.254 --nameserver 10.0.2.1 |
静的アドレスを使う場合、次の2つの制約があることに注意してください。
静的なネットワーク設定情報のすべてを1つの行の中で指定しなければなりません。たとえば、バックスラッシュによって改行するようなことはできません。
ここではネームサーバーを1つしか指定できません。ただし、必要であれば、Kickstartファイルの%postセクション(the section called %post—インストール後の設定セクションを参照)を使ってネームサーバーを追加することができます。
システムにパーティションを作成します。次の形式で、作成するパーティションを指示します。
part <mntpoint> --size <size> [--grow] [--onpart <partc> ] [--ondisk <disk> ] [--onprimary <N> ] [--asprimary] |
<mntpoint>はパーティションのマウント位置であり、次のいずれかの形式でなければなりません。
たとえば、/、/usr、/home。
このパーティションはスワップ領域として使用されます。
このパーティションはソフトウェアRAID用に使用されます(後述のraidコマンドを参照してください)。
パーティションの最小サイズを、メガバイト単位で指定します。「500」というように、整数を使います。数字の後ろに、「MB」を付けないでください。
(もしあれば)利用可能領域または設定された最大サイズまでパーティションを拡張するように指示します。
パーティションを拡張するように設定する場合に、最大パーティションサイズをメガバイト単位で設定します。正数を指定し、数字の後ろに、「MB」を付けないでください。
インストールプログラムに対して、パーティションをフォーマットしないように指示します。--onpart コマンドと併用します。
インストールプログラムに対して、パーティションを既存のデバイス <part>上に配置するように指示します。たとえば、partition /home --onpart hda1と指定すると/homeが/dev/hda1 上に配置されます。このデバイスはすでに存在するものでなければなりません。
特定のディスク上に強制的にパーティションを作ります。たとえば、--ondisk sdbと指定すると、パーティションはシステムの2番目のディスク上に作られます。
プライマリパーティション <N>上にパーティションを強制的に作るか、できなければ異常終了します。<N>に指定できるのは1から4までです。たとえば、--onprimary=1 は、最初のプライマリパーティション上にパーティションを作るべきことを指示します。
プライマリパーティションとしての自動アロケーションを強制的に実行するか、異常終了します。
<N>は、ファイルシステムを作る際、inode当たりのバイト数を指定します。10進数で指定しなければなりません。このオプションは、ファイルシステム上のinodeをたくさん使うような使い方をする場合に指定するとよいでしょう。
パーティションのタイプを <X>と設定します。ここで、 <X>はパーティションタイプの値です。
--noformatか--onpartが指定されている場合を除き、作成されたすべてのパーティションは、インストールの際にフォーマットされます。
注意 | |
---|---|
--clearpartをks.cfgファイルの中で使っている場合、論理パーティションに対して--onpartを使うことはできません。 |
注意 | |
---|---|
何らかの理由でパーティションの設定ができなかった場合には、診断メッセージが3番の仮想コンソール上に表示されます。 |
ソフトウェアRAIDデバイスを構成します。コマンドの形式は次のとおりです。
raid <mntpoint> --level <level> --device <mddevice> <partitions*> |
<mntpoint>はRAIDファイルシステムをマウントする位置です。これを/とした場合は、bootパーティション(/boot)が存在しない限りRAIDレベルは1でなければなりません。RAID 1のbootパーティションが存在する場合は、/bootパーティションはレベル1でなければならず、ルート(/)パーティションはどの利用可能なタイプにもすることができます。<partitions*>(これは、複数パーティションを列挙できることを表します)にはRAIDアレイに追加するRAID識別子を列挙します。
使用するRAIDレベル(0、1、5)。
使用するRAIDデバイスの名前(md0やmd1など)。RAIDデバイスの範囲はmd0からmd7までであり、それぞれ1度だけ使用することができます。
次に示すのは、/にRAID 1のパーティションを、/usr にRAID 5パーティションを作る方法の例です。このシステムには3つのSCSIディスクがあるものとします。また、各ドライブ上にswapパーティションを1つずつ、計3つ作ります。
part raid.01 --size 60 --ondisk sda part raid.02 --size 60 --ondisk sdb part raid.03 --size 60 --ondisk sdc |
part swap --size 128 --ondisk sda part swap --size 128 --ondisk sdb part swap --size 128 --ondisk sdc |
part raid.11 --size 1 --grow --ondisk sda part raid.12 --size 1 --grow --ondisk sdb part raid.13 --size 1 --grow --ondisk sdc |
raid / --level 1 --device md0 raid.01 raid.02 raid.03 raid /usr --level 5 --device md1 raid.11 raid.12 raid.13 |
インストールの完了後にリブートします(引数はありません)。通常、Kickstartはメッセージを表示した後で、リブートする前にユーザーがキーを押すのを待ちます。
rootpw [--iscrypted] <password> のように使います。
システムのrootパスワードを <password>引数で指定します。
これを設定すると、password引数はすでに暗号化されているものと見なされます。
これを指定すると、インストール先のシステム上にXを設定しません。
timezone [--utc] <timezone> のように使います。
システムのタイムゾーンを <timezone>で設定します。timeconfigでリストされた任意のタイムゾーンを使うことができます。
これを指定すると、ハードウェアクロックがUTC(グリニッジ標準)時間に合わせて設定されているものと見なされます。
システムに対し、新規システムのインストールではなく、既存システムをアップグレードすることを指示します。
X Window Systemを設定します。このオプションを指定しないと、Xがインストールされている場合、ユーザーはインストール中に手動でXを設定する必要があります。最終的にXをシステムにインストールしない場合は、このオプションを指定する必要はありません。
モニタの検証を行いません。
カード <card>を使います。このカードの名前には、Xconfiguratorのカード一覧に含まれているものを指定します。この引数を指定しない場合、AnacondaはPCIバスのカードを検証します。
モニタ <mon>を使います。このモニタの名前には、Xconfiguratorのモニタ一覧に含まれているものを指定します。この引数は、--hsyncか--vsyncが指定されている場合は無視されます。モニタ情報を指定しないと、モニタはプラグ&プレイを通じて検証されます。
モニタの水平同期周波数を指定します。
モニタの垂直同期周波数を指定します。
デフォルトのデスクトップをGNOMEまたはKDEに設定します(%packagesによってGNOMEまたはKDEがインストールされていることを前提とします)。
インストール後のシステムでグラフィカルログインを使います。
zerombrを指定し、yesを引数として指定すると、ディスク上にある不正なパーティションテーブルをすべて初期化します。その場合、不正なパーティションテーブルと共にディスクのパーティション情報はすべて破棄されます。このコマンドは、
zerombr yes
という形で使います。その他の書式は無効です。
インストールするパッケージを列挙するためのKickstartファイルのセクションを開始するには、%packagesコマンドを使います(これはインストール専用です。アップグレードの際のパッケージ選択はサポートされていません)。
パッケージの指定には、コンポーネントまたはパッケージ名を使います。インストールプログラムは、関連するパッケージをグループにしたいくつかのコンポーネントを定義しています。コンポーネントの一覧については、Red Hat Linux CD-ROM上のRedHat/base/compsファイルを参照してください。コンポーネントを定義している行では、最初に番号、次に空白、その次にコンポーネント名が指定されています。次に、コンポーネントに含まれる各パッケージが1行に1つずつ列挙されています。個々のパッケージについては、コンポーネントの行の先頭に指定された番号は付いていません。
そのほか、compsファイルには、次の3種類の行があります。
パッケージ名がアーキテクチャタイプで始まる場合は、パッケージ名部分を入力するだけでかまいません。アーキテクチャ名部分は不要です。たとえば、
i386: netscape-commonの場合、このパッケージをインストールするには、netscape-commonを指定するだけでかまいません。
?で始まる行は、インストールプログラムに固有のものです。このタイプの行については、何もする必要はありません。
パッケージ名が--hideで始まる場合は、--hide を取り除いたパッケージ名部分を入力するだけでかまいません。たとえば、
--hide KDE Workstationというパッケージをインストールするには、KDE Workstationの部分のみを指定するだけでかまいません。
ほとんどの場合、目的のコンポーネントをリストするだけで済みます。個々のパッケージをリストする必要はないでしょう。Baseコンポーネントは常にデフォルトで選択されるので、%packagesセクションで指定する必要はありません。
次に%packagesの例を示します。
%packages @ Networked Workstation @ C Development @ Web Server @ X Window System bsd-games |
このように、1行に1つのコンポーネントを指定します。@で始まり、その後に空白と、compsファイルで指定されている完全なコンポーネント名が続きます。個別のパッケージを指定する場合は文字を付加しません(上記例のbsd-gamesの行が個別のパッケージです)。
注意 | |
---|---|
Kickstartインストールプログラムに対して、ワークステーションインストールまたはサーバーインストールを実行するように指示することもできます(またはすべてのパッケージをインストールするように選択することができます)。それには、単に以下の行のいずれか1つを%packagesセクションに追加します。 |
@ Gnome Workstation @ KDE Workstation @ Server @ Everything |
ks.cfgの構文を解析した直後にシステム上で実行させるコマンドを追加することもできます。このセクションは必ずKickstartファイルの末尾(コマンド群の後ろ)に置き、%preコマンドで始めます。%preセクションではネットワークにアクセスできることに注意してください。ただし、この時点ではネームサービスが設定されていないので、IPアドレスしか使えません。次に%preセクションの例を示します。
%pre # add comment to /etc/motd echo "Kickstart-installed Red Hat Linux `/bin/date`" >/etc/motd # add another nameserver echo "nameserver 10.10.0.2" >>/etc/resolv.conf |
このセクションでは、Kickstartインストールが実行された日付を含むmessage-of-the-dayファイルを作成し、networkコマンドでは「1つのネームサーバーのみ」しか設定できないという制限を/etc/resolv.confに別のネームサーバーを追加することによって回避しています。
注意 | |
---|---|
インストール前の設定スクリプトは、chroot環境では動作しないことに注意してください。 |
インストール完了後にシステム上で実行させるコマンドを追加するオプションです。このセクションは必ずKickstartファイルの末尾に置き、%postコマンドで始めます。%postセクションではネットワークにアクセスできることに注意してください。ただし、この時点ではネームサービスが設定されていないので、IPアドレスしか使えません。次に%post セクションの例を示します。
%post # add comment to /etc/motd echo "Kickstart-installed Red Hat Linux `/bin/date`" >/etc/motd # add another nameserver echo "nameserver 10.10.0.2" >>/etc/resolv.conf |
このセクションでは、Kickstartインストールが実行された日付を含むmessage-of-the-dayファイルを作成し、networkコマンドでは「1つのネームサーバーのみ」しか設定できないという制限を/etc/resolv.confに別のネームサーバーを追加することによって回避しています。
注意 | |
---|---|
インストール後の設定スクリプトはchrootされた環境で実行されることに注意してください。したがって、インストール媒体からスクリプトやRPMをコピーするなどの作業を実行することはできません。 |
これを指定すると、chrootされた環境の外で実行したいコマンドを指定することができます。
次の例は、/etc/resolv.confファイルを、インストールしたばかりのファイルシステムにコピーします。
%post --nochroot cp /etc/resolv.conf /mnt/sysimage/etc/resolv.conf |
perlなど、別のスクリプト言語を指定することができます。/usr/bin/perl の部分は、利用したいスクリプト言語に書き換えます。
次の例では、perlスクリプトを使って、/etc/HOSTNAMEを書き換えています。
%post --interpreter /usr/bin/perl # replace /etc/HOSTNAME open(HN, ">HOSTNAME"); print HN "1.2.3.4 an.ip.address\n"; |