本章では、現在Microsoft Windowsなどの別のオペレーティングシステムを稼働中のコンピュータにRed Hat Linuxをインストールし、デュアルブート環境を作成する方法について説明します。
Red Hat Linuxをインストールするコンピュータで、すでにWindows(または他のオペレーティングシステム)を稼働させている場合は、ここで重要な決定を行う必要があります。以下の選択肢があります。
Red Hat Linuxをインストールしたいが、ディスクのパーティション設定作業には不安がありますか?パーティションレスインストールを実行することにより、Linuxパーティションを作成しなくても[1]、Red Hat Linuxをシステムにインストールすることができます。パーティションレスインストールの実行時、インストールプログラムは、すでにフォーマットされているWindowsパーティションにRed Hat Linuxをインストールします。この場合、Red Hat Linuxにアクセスするためのブートディスクをインストール中に作成する必要があります。
この方法はRed Hat Linuxをシステム上でプライマリOSまたはデュアルブートOSとしてインストールしたくない場合に最適です。これは、システム上にLinuxパーティションを作成せずにRed Hat Linuxを試すのに最適な方法です。
この方法を選択する場合は、オフィシャル Red Hat Linux x86インストールガイドを参照してください。
Red Hat Linuxをインストールし、Red Hat Linuxまたは他のオペレーティングシステムのいずれかをブートすることができるようにしたいですか?ワークステーションインストールまたはカスタムインストールを実行すれば、他のオペレーティングシステムに影響が発生しないようにRed Hat Linuxをインストールすることができます。実際、ワークステーションインストールはデフォルトでこれを実行します。カスタムインストールでは、LILO(Linux LOader)インストールしてLinuxと他のオペレーティングシステムをブートすることができます。
他のオペレーティングシステムを先にインストールし、その後Red Hat Linuxをインストールしてください。Red Hat Linuxインストールプログラムは、通常他のオペレーティングシステムを検出すると、LILOをRed Hat Linuxまたは他のオペレーティングシステムのどちらかをブートするように自動的に設定します。オフィシャル Red Hat Linux x86インストールガイドには、LILOのインストールと設定に関する説明が記載されています。インストールしたあとでは、コンピュータを起動するたびに、Red Hat Linuxまたは他のオペレーティングシステムのどちらを起動するのかを指定することができます。
システムを複数のオペレーティングシステムをブートするように設定する前に、すべての重要な情報のバックアップを忘れずに作成してください。ブートローダーが認識できない場合に備えて、両方のオペレーティングシステムのブートディスクを必ず作成してください。
警告 | |
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BIOSがハードドライブ上の最初の1024個を超えるシリンダにアクセスできないシステムがあります。このような場合、LILOからブートするには、Linuxの/bootパーティションがハードドライブの最初の1024個のシリンダ上になければなりません。 |
警告 | |
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Red Hat LinuxとWindows NTのデュアルブートを希望する場合はWindows NTを先にインストールしてください。このときマスタブートレコード(MBR)に専用のブートローダーがインストールされます。Windows NTをインストールした後、Red Hat Linuxインストールプログラムの実行によりLILOをインストールするとNTのブートローダーが上書きされますが、Windows NTをブートするためにdosというLILOのエントリが追加されます。ワークステーションインストールでは自動的にLILOがMBRにインストールされることを忘れないでください。LILOをMBRにインストールしてWindows NTをブートすると、失敗する場合があります。この場合、カスタムインストールを実行することによって、LILOがMBRではなくルートパーティションの先頭セクタにインストールされるようにしなければなりません。 ルートパーティションの先頭セクタにLILOをインストールする場合は、必ずブートディスクを作成してください。このような場合は、ブートディスクを使用してRed Hat Linuxをブートするか、NTのブートローダーを設定してLILOがルートパーティションの先頭セクタからブートされるようにする必要があります。NTのブートローダーの設定に関する詳細については、http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/Linux+NT-Loader.htmlを参照してください。 |
この方法を選択する場合は、the section called デュアルブート環境の設定を参照してください。
Red Hat Linuxをコンピュータ上の唯一のオペレーティングシステムとしますか?サーバーインストールを選択するか、ワークステーションインストールを選択して手動でDOS(Windows)パーティションを削除するか、カスタムインストールを選択して既存のDOS(Windows)パーティションを削除します。
注意 | |
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Red Hat Linuxをインストールしながら別のOSをシステムに残すには、Red Hat Linuxをインストールするのに十分な容量が必要です。容量が十分ないと、システムに存在するOSとファイルがRed Hat Linuxによって置き換えられます。ハードディスクをパーティション設定してRed Hat Linuxのための容量を確保するか、インストールのためのパーティション設定されていない十分な容量があることを確認していなかった場合、Red Hat Linuxはデフォルトで既存の情報の上にインストールしてしまいます。サーバーインストールを選択する場合にも、同じことが起きます。ハードドライブ上にRed Hat Linuxのための十分な容量がない場合、Red Hat Linuxをインストールすることはできません。 |
この選択を希望する場合は、最初に保存したいシステム上の情報をバックアップするか、システムをオリジナルの設定にリストアする可能性がある場合はフルバックアップを実行したうえで、オフィシャル Red Hat Linux x86インストールガイドの説明にしたがってインストールを開始してください。
[1] | パーティションはハードディスク上の物理的な区画です |