第 10章Apache HTTP サーバー
Apache HTTP サーバー は、Apache Software Foundation(http://www.apache.org)に よって開発された強健で、商用製品の匹敵するオープンソースのWebサーバーです。Red Hat Linuxには、Apache HTTP サーバーバージョン2と さらにその機能を強化するように設計されている数多くのサーバーモジュールが含まれています。
Apache HTTP サーバーにインストールされているデフォルトの設定は、殆どの状況で変更せずに 利用できるはずです。この章では、カスタム設定を必要とする、又は古い Apache HTTP サーバー 1.3から 設定ファイルを変換する必要のあるユーザーを支援する為に、多くのApache HTTP サーバー設定ファイルに ついてその概要を説明しています。
 | 警告 |
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グラフィカルなHTTP 設定ツール(redhat-config-httpd)を 使用している場合、HTTP 設定ツールはこのファイルを使用する度に再生成 しますので、Apache HTTP サーバーの設定ファイルは 手動で編集しないでください。 HTTP 設定ツールに関する詳細情報はRed Hat Linux カスタマイズガイドの 中のApache HTTP サーバーの設定の章で御覧下さい。 |
10.1. Apache HTTP サーバー 2.0
Apache HTTP サーバー バージョン2とそのバージョン1.3(バージョン1.3 は Red Hat Linux 7.3 とそれ以前で使用)には重要な差異が有ります。 このセクションは、Apache HTTP サーバー 2.0の機能をいくつかを検証して、重要な変更点の概要を説明します。バージョン1.3の 設定ファイルを2.0形式に移行する方法の案内は項10.2で御覧下さい。
10.1.1. Apache HTTP サーバー 2.0の機能
Apache HTTP サーバー 2.0の到来により、多くの機能が利用できます。 以下にその主なものを示します：
新しい Apache API — モジュールはより強力な 新しいAPI(Application Programming Interfaces)のセットを活用します。
重要 Apache HTTP サーバー 1.3 用に構成されたモジュールは、新しいAPIに移動しない限り 機能できません。特定のモジュールが移動されたかどうか不明な場合は、 アップグレードする前に開発者に確認して下さい。
フィルタリング — モジュールはコンテントフィルタとして 機能できます。フィルタリングの作用の仕方に付いての詳細は項10.2.4で 確認できます。
IPv6 サポート — 次世代のIPアドレス形式がサポートされます。
簡潔化されたディレクティブ — 多くの混乱しやすい ディレクティブが排除され、他のディレクティブも簡潔化されています。特定のディレクティブに ついての情報は項10.5で御覧下さい。
複数言語のエラー対応 — SSI(Server Side Include)ドキュメントを 使用する時、 カスタマイズしたエラー対応ページが複数言語で供給されます。
複数プロトコルサポート — 複数のプロトコルがサポートされます。
より総括的な変更リストは次のサイトでオンライン検索ができます。 http://httpd.apache.org/docs-2.0/.
10.1.2. Apache HTTP サーバー 2.0のパッケージ変更
Red Hat Linux 8.0から開始して、Apache HTTP サーバーパッケージは名前が変更されています。さらに その関連のパッケージにも名前変更、使用停止、又は他のパッケージとの合併など があります。
以下にパッケージ変更のリストを示します：
apache、 apache-devel、 apache-manualは名前変更になり httpd、httpd-devel、 httpd-manualとそれぞれ変わりました。
mod_davパッケージはhttpd パッケージに吸収されています。
mod_putパッケージとmod_roaming パッケージは、その機能がmod_davで提供される 機能のサブセットである為、削除されました。(mod_davは httpdに吸収されています。)
mod_auth_anyと mod_bandwidthパッケージは削除されました。
mod_sslパッケージ用のバージョン番号は、今回 httpdパッケージと同期化されています。これは Apache HTTP サーバー 2.0用のmod_sslパッケージは、 Apache HTTP サーバー 1.3用のmod_sslパッケージよりも 低い(mod_sslの)バージョン番号を持つという ことになります。
10.1.3. Apache HTTP サーバー 2.0のファイルシステムの変更
Apache HTTP サーバー 2.0へアップグレードをすると、ファイルシステムのレイアウトに以下のような 変更が起こります：
新しい設定ディレクトリ/etc/httpd/conf.d/が 追加されました。 — この新しいディレクトリは、mod_ssl、 mod_perl、php等の個別のパッケージモジュール用の 設定ファイルを保存する為に使用されます。サーバーはこの場所から設定ファイルをロードする ように、Apache HTTP サーバーの設定ファイルである/etc/httpd/conf/httpd.confにある ディレクティブInclude conf.d/*.confによって指示されます。
重要 既存の設定を移行する時には、この行が挿入されていることが重要になります。
abとlogresolveプログラムは 移動しました。 — これらのユーティリティプログラムは、 /usr/sbin/ディレクトリから/usr/bin/へ 移動されました。これにより、これらのバイナリの絶対パスを持つスクリプトは 機能しません。
dbmmanageコマンドは入れ換えられました。 — dbmmanageコマンドは、htdbmにより入れ換えられています。 詳細は項10.2.4.4で御覧下さい。
logrotateの設定ファイルは名前が変更されています。 — logrotate設定ファイルは/etc/logrotate.d/apacheから /etc/logrotate.d/httpdへと名前が変更されました。
次のセクションでは、Apache HTTP サーバー 1.3設定から 2.0形式への移行の仕方を簡単に 説明しています。