最近の電子メールクライアントのほとんどは、ユーザーが 電子メールを送信するのにplain textか HTMLのどちらかを選択して送信することができます。HTML形式の 電子メールの有利な点は、グラフィックやWebサイトへの インテラクティブなリンクを含むことができることです。特定の フォントが指定でき、レイアウトはたいへん操作しやすく、 テクスチャー、写真、または背景なども追加できます。これらすべて が、受信者にメッセージがとどいたとき、視覚的なアピールを与えます。
一方、プレーンテキストの電子メールはその名の通り — プレーンテキストです。華々しさもなく、メールに組み込みの写真も なく、特殊フォントもありません。プレーンテキストの電子メールは シンプルです。
プレーンテキストと言う表現は、ASCII形式の原文データを 指します。プレーンテキスト(クリアテキスト とも呼ばれる)は、いろいろなタイプのマシンのほぼすべての電子メール アプリケーションでサポートされていることから、最も移動性のある 形式だと言えます。
この章ではmuttプレーンテキストの 電子メールクライアントを説明します。
Muttは、小さいにもかかわらず、 たいへんパワフルなUnix オペレーティングシステム用のテキストベース メールクライアントです。
Muttの設定ファイル、 ~/.muttrc.はMuttにその 柔軟性と設定し易さを与えています。また、このファイルが新規 ユーザーにとっては問題ともなります。Mutt が備える利用可能なオプションはまさに驚異的です。 ユーザーは送信、受信、メールの読みとりなどでMutt が使用するすべての機能をコントロールすることが できます。すべてのパワフルなソフトウェアと同様に、その機能や これで何ができるかを理解するには少し時間を要します。
ほとんどのオプションは、booleanまたは、stringのバリューを 使用した setコマンドとunset コマンドによって呼び出されます。例、set folder = ~/Mail など。
全ての設定オプションは、
使いたいコマンドを忘れてしまった場合は、タブキーでの コマンド補完の機能が使用できます。
muttを実行する度に自分の 設定コマンドをすべて入力する必要はありません。プログラムが スタートする度に読み込まれるファイルに保存することができます。 この設定ファイルは、自分のホームディレクトリに存在する必要が あります。ファイル名は~/.muttrcか、 ~/.mutt/muttrcとしなければなりません。
muttを起動すると、最初に画面に出てくるのが電子メール メッセージの一覧です。 この最初のメニューはインデックス(index) と呼ばれます。
これらのメッセージは、mailspoolと
呼ばれる デフォルトのメールフォルダに入っています。これは
インボックスと同義と考えてもよいものです。
インデックスやページャ表示の中で、
電子メールを編集した後は、Mutt
が作成メニューを表示しますので、メッセージヘッダのカスタマイズ、
文字エンコードの変更、ファイルの添付などをすることができます。
あるいは単純に
muttについての詳細は、 muttrc と muttの manページを参照してください(シェルプロンプトでman muttrc またはman muttと入力)。また、 muttマニュアルも大変役に立つこと でしょう。muttマニュアルは /usr/share/doc/mutt-1.2.x にインストールしてあります。xとは、 システムにインストールされているmutt のバージョン番号です。