30.2. アップグレードの準備

カーネルをアップ グレードする前に、あらかじめいくつかの準備作業をしてください。 まず最初に、問題が発生した場合、システム用に作動するブート ディスクがあることを確認します。ブートローダが正しく構成 されていないために新規カーネルをブートできない場合は、 作動するブートディスクなしにはRed Hat Linuxでシステムをブート できません。

ブートディスクを作成するには、シェルプロンプトでrootとして ログインして、以下のコマンドを実行します。

/sbin/mkbootdisk `uname -r`

ティップヒント
 

オプションの詳細についてはmkbootdisk のmanページを参照してください。

次へ進む前に、ブートディスクでマシンをリブートして、作動する ことを確認します。

ディスクを使用する必要がない方が望ましいのですが、 万一のため安全な場所に保存してください。

インストールしてあるカーネルパッケージを確認するには、 シェルプロンプトで次のコマンドを実行します。

rpm -qa | grep kernel

実行したインストールのタイプによって、以下のパッケージの一部 、もしくはすべてが出力されます(バージョン番号とパッケージは 異なる場合があります)。

kernel-2.4.20-2.47.1
kernel-debug-2.4.20-2.47.1
kernel-source-2.4.20-2.47.1
kernel-doc-2.4.20-2.47.1
kernel-pcmcia-cs-3.1.31-13
kernel-smp-2.4.20-2.47.1

出力から、カーネルのアップグレードにダウンロードする必要の あるパッケージを確認します。シングルプロセッサシステムの場合、 唯一の必要なパッケージはkernelパッケージ です。

複数のプロセッサを使用するコンピュータの場合、 システムが複数のプロセッサを使用するために、マルチプロセッサ に対応するkernel-smpパッケージが必要 になります。システムでマルチプロセッサカーネルが正しく機能 しない場合にkernelパッケージも インストールすることをお勧めします。

4ギガバイトを超えるメモリを備えたコンピュータの場合、 システムが4ギガバイトを越えるメモリを使用するために kernel-bigmemパッケージをインストールする 必要があります。デバッグすることを目的としてkernel パッケージもインストールすることを強くお勧め します。kernel-bigmemパッケージは、 i686アーキテクチャのみに対応して構築されています。

PCMCIAサポートが必要な場合(ノートブック型PCなど)、 kernel-pcmcia-csパッケージが必要です。

kernel-sourceパッケージは、カーネルを 再コンパイルする場合か、カーネルの開発を行う場合以外は 必要ありません。

kernel-docパッケージには、 カーネル開発ドキュメントが含まれているので 必要ありません。システムがカーネル開発用に 使用される場合におすすめします。

kernel-utilパッケージには、 カーネルやシステムのハードウェアの制御に使用できる ユーティリティが含まれています。必要とされません。

Red Hatは種々のx86バージョンに対応して最適化されたカーネルを 構築します。オプションには、AMD Athlon™とAMD Duron™システム用 のathlonIntel® Pentium® II、Intel® Pentium® III、Intel® Pentium® 4 システム用の i686 、及び Intel® Pentium®と AMD K6™システム用のi586が あります。使用しているx86システムのバージョンが不明な場合 は、i386バージョン用に構築された カーネルを使用します。このカーネルはすべてのx86ベース システム用に構築されています。

RPMパッケージのx86バージョンはファイル名に含まれています。 たとえば、kernel-2.4.20-2.47.1.athlon.rpm はAMD Athlon™とAMD Duron™システム用に最適化されて います。また、kernel-2.4.20-2.47.1.i686.rpm Intel® Pentium® II、 Intel® Pentium® III、 Intel® Pentium® 4 システム用に最適化されています。 カーネルのアップグレードに必要なパッケージを確定したら、 kernelkernel-smp kernel-bigmemの 各パッケージに対して適切なアーキテクチャを選択します。 その他のパッケージのi386 バージョンを使用します。