名称

      mxtoolbox - Systems Insight Manager でのツールボックスの追加、変更、削
      除、または一覧表示


構文

      mxtoolbox -a toolboxname [-d description] [-e t|f]
      mxtoolbox -a [-f filename]
      mxtoolbox -m toolboxname [-N new_toolboxname] [-d description]
      [-e t|f]
      mxtoolbox -m [-f filename]
      mxtoolbox -r toolboxname
      mxtoolbox -r [-f filename]
      mxtoolbox [-l n|t]
      mxtoolbox -lf [-b encoding]


説明

      mxtoolbox コマンドを使用すると、Systems Insight Manager の完全な権限を
      持つユーザは、Systems Insight Manager ツールボックスを追加、名前の変
      更、説明の記述、無効化、有効化、削除、および一覧表示できます。 Master
      ToolBox は、システムが追加する特殊な Systems Insight Manager ツール
      ボックスであり、いかなる方法でも変更できません。

      このコマンドの 1 番目の構文形式では、完全な権限を持つユーザは 1 つの
      Systems Insight Manager ツールボックスを追加し、必要に応じてツールボッ
      クスの説明を追加し、ツールボックスを有効化または無効化することができま
      す。ツールボックスを追加するには、完全な権限を持つユーザはツールボック
      ス名を指定する必要があります。ツールボックス名は、先頭がアルファベット
      である必要があります。2 文字目以降に、英数字、埋め込み空白、下線 (_)、
      ダッシュ (-) を使用できます。名前の長さは 16 文字以内でなければなりま
      せん。完全な権限を持つユーザは、32 個までのツールボックスを追加できま
      す。ツールボックスはデフォルトでは有効です。ツールボックスを明示的に有
      効にするには、完全な権限を持つユーザが t を -e オプションの後に入力し
      ます。ツールボックスを無効にするには、完全な権限を持つユーザが f を -e
      の後に入力します。ツールボックスを有効にすると、そのツールボックスを使
      用して、そのツールボックスに関連する Systems Insight Manager ツールを
      許可できます。ツールボックスを無効にすると、そのツールボックスを使用し
      ても、そのツールボックスに関連する Systems Insight Manager ツールを許
      可できません。

      このコマンドの 2 番目の構文形式では、完全な権限を持つユーザはファイル
      で指定した情報に基づいて、複数のツールボックスを追加できます。このファ
      イルは、 Systems Insight Manager ツールボックス用に定義された拡張マー
      クアップ言語 (XML) 形式である必要があります。 mxtoolbox(4) を参照して
      ください。

      このコマンドの 3 番目の構文形式では、完全な権限を持つユーザは 1 つの
      Systems Insight Manager ツールボックスを変更できます。完全な権限を持つ
      ユーザは、ツールボックスの名前や説明を変更したり、ツールボックス有効化
      したりできます。ただし、 Master ToolBox は、変更できません。


      このコマンドの 4 番目の構文形式では、完全な権限を持つユーザはファイル
      で指定した情報に基づいて、複数のツールボックスを変更できます。このファ
      イルは、 Systems Insight Manager ツールボックス用に定義された拡張マー
      クアップ言語 (XML) 形式である必要があります。 mxtoolbox(4) を参照して
      ください。

      このコマンドの 5 番目の構文形式では、完全な権限を持つユーザは Systems
      Insight Manager レポジトリから 1 つのツールボックスを削除できます。
      Master ToolBox は、Systems Insight Manager レポジトリから削除できませ
      ん。

      このコマンドの 6 番目の構文形式では、完全な権限を持つユーザはファイル
      で指定した情報に基づいて複数のツールボックスを削除できます。このファイ
      ルは、 Systems Insight Manager ツールボックス用に定義された拡張マーク
      アップ言語 (XML) 形式である必要があります。 mxtoolbox(4) を参照してく
      ださい。

      7 番目の構文形式では、完全な権限を持つユーザは Systems Insight Manager
      ツールボックス名を一覧表示したり、すべての Systems Insight Manager
      ツールボックスの詳細を表示したりできます。オプションを付けずに
      mxtoolbox を呼び出すと、すべての Systems Insight Manager ツールボック
      スの名前が縦に並んだ一覧が表示されます。これは、引き数 n を付けてこの
      コマンドを呼び出すことと同じです。引き数 t を付けて呼び出すと、表形式
      でツールボックスが一覧表示され、ツールボックス名、有効/無効、および
      ツールボックスの説明が表示されます。

      最後の構文形式は、完全な権限を持つユーザに Systems Insight Manager
      ツールボックスの一覧を XML ファイル形式で出力することを可能にします。
      オプションで、XML ファイルの文字エンコードを指定することができます。文
      字エンコードの値は、有効な文字エンコードと一致していなければなりませ
      ん。エンコードを指定しない場合は、システムは現在指定されている所定のエ
      ンコードでファイルの書き込みを試みます。有効な文字エンコードの一覧は、
      次の Web サイトにあります。
      http://www.iana.org/assignments/character-sets

      Systems Insight Manager の完全な権限を持つユーザだけが、 mxtoolbox を
      使用して、Systems Insight Manager ツールボックスを追加、変更、または削
      除できます。すべての Systems Insight Manager ユーザは、Systems Insight
      Manager ツールボックスの情報を表示できます。

    ツールボックスの属性
      以下のツールボックス属性で、Systems Insight Manager ツールボックスが定
      義されます。

	   toolboxname	  Systems Insight Manager ツールボックスの名前は、先
			  頭がアルファベットである必要があります。名前には、
			  埋め込み空白を使用できます。名前の長さは最大で 16
			  文字です。Systems Insight Manager のツールボックス
			  名は、大文字と小文字とが区別されません。


	   description	  Systems Insight Manager ツールボックスの Systems
			  Insight Manager 固有の説明です。長さは最大で 128
			  文字です。

	   enablement	  Systems Insight Manager ツールボックスが有効/無効
			  を示します。Systems Insight Manager ツールボックス
			  を無効化すると、その Systems Insight Manager ツー
			  ルボックスの Systems Insight Manager ツールを実行
			  することができなくなります。

    ファイル処理
      mxtoolbox コマンドで、完全な権限を持つユーザはツールボックスやツール
      ボックス属性のリストを持つ XML ファイルを指定して Systems Insight
      Manager ツールボックスを追加、変更、削除できます。

      Systems Insight Manager は入力ファイルデータを 2 つのパスで処理しま
      す。

      1 番目のパスでは、XML ファイルが解析され、2 番目のパスで処理されるツー
      ルボックスのリストが生成されます。1 番目のパスで、XML ファイルの形式が
      正しく、ツールボックス名が有効であり、ツールボックス オブジェクトが正
      しい情報を含んでいることが確認されます。1 番目のパスの処理中にエラーが
      検出されると、Systems Insight Manager は処理を中断し、エラーを説明する
      エラーメッセージを出力します。その場合、Systems Insight Manager レポジ
      トリは変更されません。

      1 番目のパスで XML ファイルの処理が正常終了すると、Systems Insight
      Manager は 1 番目のパスで収集したツールボックスのリストを処理しようと
      します。2 番目のパスで Systems Insight Manager は、リスト全体の処理が
      終わるか論理エラーが発生するまで、ツールボックスのリストを処理します。
      論理エラーが発生するのは、追加時にツールボックスが重複指定されたり、変
      更時に存在しないツールボックスが指定されたり、削除時に、 Master
      ToolBox を削除しようとした場合などです。

      2 番目のパスでエラーが発生した場合、Systems Insight Manager はその時点
      で処理を中断し、エラー メッセージを出力します。入力ファイルで、無効な
      ツールボックス データの前に有効なツールボックス データが記述されていた
      場合、Systems Insight Manager は有効なデータを完全に処理し、それに応じ
      て Systems Insight Manager レポジトリを変更します。Systems Insight
      Manager は、無効なデータとそれ以降に記述されているデータはすべて無視し
      ます。

    オプション
      mxtoolbox には、以下のオプションがあります。

	   -a		  ツールボックスを追加します。

	   -d description	  Systems Insight Manager ツールボックスに関する説明
			  を指定します。


	   -e t|f	  Systems Insight Manager ツールボックスを有効にする
			  か無効にするかを設定します。 t を指定すると有効化
			  され、 f を指定すると無効化されます。

	   -f filename	  追加、変更、または削除されるユーザ関連の情報が、
			  filename で指定された XML ファイルに存在することを
			  示します (mxuser(4) を参照してください)。

	   -l n		  有効化および無効化されているすべての Systems
			  Insight Manager ツールの名前が縦に並んだ一覧を表示
			  します。このオプションは、コマンドにどのオプション
			  も指定しないことと同じです。

	   -l t		  すべての Systems Insight Manager ツールボックスに
			  ついて、Systems Insight Manager ツールボックスの属
			  性を表形式で表示します。

	   -l f		  ツールボックスの情報を XML 形式で生成します。

	   -b encoding	  XML ファイルの文字エンコードを指定するには、 -lf
			  オプションを併せて使用します。

	   -m toolboxname	  変更する Systems Insight Manager ツールボックスを
			  指定します。

	   -N new_toolboxname
			  指定した Systems Insight Manager ツールボックスの
			  新しいツールボックス名を定義します。

	   -r		  ツールボックスを完全に削除します。


多国語化対応

      HP-UX または Linux に関しては、コマンドラインでエンコードを指定しない
      場合、システムがXML データの出力に使用するデフォルトのエンコードは、
      LANG によって決まります。 LANG が指定されていない場合や、null または
      LANG が有効なエンコードに一致しない場合、デフォルトは C になります (
      lang (5) を参照)。この場合、ユーザは -b オプションを使用して XML デー
      タのエンコードを指定します。


戻り値

      mxtoolbox は、以下のいずれかの値を返します。

	     0		  正常終了。
	     1		  コマンドラインの構文エラー。
	     2		  ファイル操作中のエラー。
	     3		  ツールボックスが存在しません。
	     5		  ツールボックスが重複しています。
	    21		  無効な名前。
	    22		  無効な説明。
	    26		  サポートされていない操作。
	    50		  ユーザに権限がありません。
	   102		  Systems Insight Manager レポジトリのエラー。
	   222		  中央管理サーバ (CMS) が初期化されていません。
	   249		  セッション マネージャに接続できません。
	   250		  リモート例外。
	   253		  名前が重複しています。


制限事項

      有効なツールボックス名の長さは、1 〜 16 文字です。ツールボックス名の先
      頭の文字は、大文字または小文字のアルファベットでなければなりません。

      数字、下線、ダッシュ、空白文字は、ツールボックス名の要素として使用でき
      ます。ただし、名前の最後尾の空白文字は削除されます。


      "HP ASE" という名前の Systems Insight Manager ツールボックスを追加しま
      す。

	   mxtoolbox -a	 "HP ASE" -c  "HP アカウント サポート エンジニア"

      ツールボックスのファイルを追加します。

	   mxtoolbox -a -f  toolboxlist.xml

      "HP ASE" という名前の Systems Insight Manager ツールボックスを無効にし
      ます。

	   mxtoolbox -m "HP ASE" -e f

      ツールボックスのファイルを変更します。

	   mxtoolbox -m -f  toolboxlist.xml

      "HP ASE" という名前のツールボックスを削除します。

	   mxtoolbox -r	 "HP ASE"

      ツールボックスのファイルを削除します。

	   mxtoolbox -r -f  toolboxlist.xml

      すべての Systems Insight Manager ツールボックスの名前を一覧表示しま
      す。

	   mxtoolbox -l n

      出力はたとえば以下のようになります。

	   lvmadmin
	   operator
	   webadmin
	   dbadmin
	   Master ToolBox

      すべての Systems Insight Manager ツールボックスの属性を一覧表示しま
      す。変更されたことのない Systems Insight Manager ツールボックスも表示
      されます。

	   mxtoolbox -l t

      出力はたとえば以下のようになります。

	   NAME            ENABLED  DESCRIPTION
	   lvmadmin        true     LVM 管理者のツールボックス
	   operator        true     オペレータの読み取り専用のツールボックス
	   webadmin        true     Web サーバ管理者のツールボックス
	   dbadmin         true     データベース管理者のツールボックス
	   Master ToolBox  true     Systems Insight Manager Master ToolBox

      すべての Systems Insight Manager ツールボックスの一覧を XML ファイル内
      に作成します。

	   mxtoolbox -l f

      出力はたとえば以下のようになります。

	   <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
	   <toolbox-list>
	     <toolbox name="webadmin"
	   guid="00000000864162de0eea403317500000">
	       <enabled value="true" />
	       <description>WEB サーバ管理者</description>
	     </toolbox>
	     <toolbox name="Master ToolBox"
	   guid="00000000864162de0eea4032a2a00000">
	       <enabled value="true" />
	       <description>Systems Insight Manager によって追加された
	   Master ToolBox</description>
	     </toolbox>
	     <toolbox name="operator"
	   guid="00000000864162de0eea40331bf00000">
	       <enabled value="true" />
	       <description>オペレータの読み取り専用のツールボック
	   ス</description>
	     </toolbox>
	     <toolbox name="dbadmin"
	   guid="00000000864162de0eea403301600000">
	       <enabled value="true" />
	       <description>データベース管理者</description>
	     </toolbox>
	     <toolbox name="lvmadmin"
	   guid="00000000864162de0eea403323000000">
	       <enabled value="true" />
	       <description>LVM 管理者</description>
	     </toolbox>
	   </toolbox-list>


制限事項

      本コマンドは、CMS 上でのみ実行できます。

      Systems Insight Manager ツールボックスの数は 32 個までに制限されていま
      す。また、 Master ToolBox 以外は、Systems Insight Manager レポジトリか
      ら変更またはそこから削除できます。 Master ToolBox は、特殊な Systems
      Insight Manager ツールボックスであり、いかなる方法でも変更できません。
      また、Systems Insight Manager ツールの Systems Insight Manager ツール
      ボックス権限からも削除できません。


著者

      mxtoolbox は HP により開発されました。


参照 (HP-UX)

      mxtoolbox(4)、mxauth(1M)、mxtool(1M)


参照 (Linux)

      mxtoolbox(4)、mxauth(8)、mxtool(8)