名称
mxtool - Systems Insight Manager のツールの追加、一覧表示、変更、削除
構文
mxtool -a -f filename
mxtool -m [-i] -f filename [-x force]
mxtool -s -f filename
mxtool -r [-f filename |-c category | -t toolname ] [-x force]
mxtool -l d|f|n|t [-c category ... | -t toolname ...]
mxtool -lf [-b encoding] [-c category ... | -t toolname ...]
mxtool
説明
mxtool コマンドを使用すると、Systems Insight Manager でツールを追加、
一覧表示、変更、または削除できます。
このコマンドの最初の構文形式で、ツールを追加できます。このツールに関す
る情報は、ツール定義ファイル (mxtool(4) を参照) 内にあります。1 つまた
は複数の Systems Insight Manager ツールを追加できます。
ツールを追加するユーザが完全な権限を持つユーザ (mxuser(1) を参照) であ
る場合、Systems Insight Manager はツール定義ファイル内での所定のツール
に対して指定されている所有者の値を受け入れます。所有者のフィールドが指
定されていない場合は、ツールの所有者フィールドは空白であり、このツール
はそれがあるすべてのツールボックスで有効にされます。ただし、ユーザが完
全な権限を持つユーザではない場合は、Systems Insight Manager はそのツー
ルの所有者の指定を無視し、ツールの所有者フィールドをそのユーザの ID に
のみ設定します。さらに、ユーザが完全な権限を持つユーザではない場合、
Systems Insight Manager では [すべてのツール] ツールボックスはツール定
義でしか定義できません。 Systems Insight Manager はツールボックスを有
効にするフラグの値を無視し、[すべてのツール] ツールボックスのみを有効
にします。
所有者フィールドが指定されている (空白でない) 場合、Systems Insight
Manager はツールボックスを有効にするフラグを無視し、[すべてのツール]
以外の、指定されたすべてのツールボックスのツールを無効にします。指定さ
れたすべてのツールボックスのツールを有効にするには、完全な権限を持つ
ユーザはツールの定義を変更する必要があります。特に、完全な権限を持つ
ユーザは所有者フィールドをツールから削除する必要があります。デフォルト
では、完全な権限を持つユーザが所有者フィールドを削除すると、ツールボッ
クスを有効にするフラグが "true" に設定されます。完全な権限を持つユーザ
は、ツールボックスを有効にするフラグを"false"に設定することによっ
て、[すべてのツール]以外の、指定されたすべてのツールボックスのツールを
明示的に無効にすることができます。
追加操作中には、所定のツールのうち現在 Systems Insight Manager に名前
がないもののみが追加されます。ツールの重複が Systems Insight Manager
で検出された場合は、追加操作を行ったオペレータにそのことが通知されます
が、重複していないツールはすべて追加が続行されます。この場合、重複した
ツールの処理が省略されても、終了コードへの影響はありません。追加操作中
には、[すべてのツール] ツールボックスがデフォルトで各ツールに割り当て
られます。
2 番目の構文形式の mxtool を使用すると、1 つまたは複数の Systems
Insight Manager ツールの定義を変更できます。このツールに関する情報は、
ツール定義ファイル内にあります。ツールを変更するユーザは、ツールの所有
者か完全な権限を持つユーザでなければなりません。完全な権限を持つユーザ
の場合は、ツール定義全体を変更できます。所有者であり完全な権限を持つ
ユーザではない場合は、ツールのほとんどの属性を変更できますが、所有者の
属性またはツールのツールボックスを変更することはできません。 Systems
Insight Manager はツールボックスを有効にする入力ファイル内のフラグの値
を無視し、ツールボックスを有効にするツール内のフラグを "false" に設定
します。 -i オプションを指定すると、完全な権限を持つユーザは変更された
ツール定義内のツールボックスへの変更内容が無視されるように指定できま
す。
ツールの所有者フィールドが設定されていないときに、完全な権限を持たない
ユーザがツールを変更する場合は、完全な権限を持つユーザがツールの定義を
変更することによって、ツールの所有者フィールドをその完全な権限を持たな
いユーザのユーザ名に設定する必要があります。また、 mxtool は、完全な権
限を持たないユーザがツールのツールボックスを変更しても、その変更内容を
無視します。
Systems Insight Manager では、変更オプションを使用してツールを追加する
ことはできません。変更操作中に、Systems Insight Manager に存在しない
ツールがツール定義ファイル内で検出された場合、Systems Insight Manager
は変更操作を行っているユーザにそれを通知しますが、ツール定義ファイル内
に指定されている、Systems Insight Manager 内に存在するツールの変更は続
行します。この場合、未定義のツールの処理が省略されても、終了コードへの
影響はありません。
変更操作中は、[すべてのツール] ツールボックスをどのツールからも削除で
きません。
Ignite などマルチ システム対応ツールを追加または変更できるのは、完全な
権限を持つユーザだけです。また、ツールを削除できるのは、完全な権限を持
つユーザだけです。
すべてのツールは、リビジョン属性を含みます。リビジョン属性は、Systems
Insight Manager中の1より大きいリビジョンがツール定義ファイルに定義され
たツールがあることを確認するために使用されます。ツール リビジョン属性
は、ツールを修正中に使用されます。提供されない場合、1.0のリビジョンが
追加された際に System Insight Managerのツールを指定します。 -x force
オプションを指定すると、変更されたツール定義内のツールのリビジョン属性
を無視されるように指定できます。
3 番目の構文形式の mxtool では、Systems Insight Manager ドメインの変更
(Systems Insight Manager ツールの追加や変更) を行わずに、ツール定義
ファイルをスキャンできます。この構文形式を使用すると、ツール定義ファイ
ルをチェックして構文エラーを見つけることができます。
4 番目の構文形式の mxtool では、Systems Insight Manager ツールを削除で
きます。ツールを削除できるのは、完全な権限を持つユーザだけです。
Systems Insight Manager 内のツールと一致しないツール名を指定すると、
Systems Insight Manager はツールが見つからないことをユーザに通知し、指
定された次のツールを削除しようとします。この場合、未定義のツールの処理
が省略されても、終了コードへの影響はありません。ツールを使用してタスク
を作成した場合、それを削除しようとしても成功しません。 -x force オプ
ションを指定すると、Systems Insight Managerは、ツールのタスク依存を無
視して、それを削除するよう指示します。完全な権限を持つユーザは、ツール
名のリスト、カテゴリのリスト、またはツール定義ファイルでツールを指定で
きます。
5 番目の構文形式の mxtool では、Systems Insight Manager ツールをリスト
したり、特定の Systems Insight Manager ツールの定義を表示したりするこ
とができます。修飾子を付けない場合、 mxtool は登録されているすべての
Systems Insight Manager ツールの名前をリストします。 d 修飾子を付ける
と、 mxtool は、Systems Insight Manager ツールの詳細なリストを画面表示
に適した形で表示します。 f 修飾子を付けると、 mxtool は各 Systems
Insight Manager ツールの完全な Systems Insight Manager ツール定義
(mxtool(4) を参照) を stdout に書き込みます。 n 修飾子を付けると、
mxtool はすべての Systems Insight Manager ツール名のリストを表示します
(修飾子がない場合と同じ)。 t 修飾子を付けると、 mxtool は登録されたす
べての Systems Insight Manager ツールの一部の属性のリストを表形式で表
示します。 -c オプションを使用すると、1 つまたは複数のツール カテゴリ
へと出力を制限できます。 -t オプションを使用すると、特定の Systems
Insight Manager ツールへと出力を制限できます。
6 番目の mxtool の構文形式は、Systems Insight Manager ツールをXML ファ
イル形式で一覧表示します。オプションで、XML ファイルの文字エンコードを
指定することができます。文字エンコードの値は、有効な文字エンコードと一
致していなければなりません。エンコードを指定しない場合は、システムは現
在指定されている所定のエンコードでファイルの書き込みを試みます。有効な
文字エンコードの一覧は、次の Web サイトにあります。
http://www.iana.org/assignments/character-sets
最後の構文形式の mxtool では、現在 Systems Insight Manager ドメインに
設定されている Systems Insight Manager ツールの名前をすべてリストしま
す。
オプション
mxtool には、以下のオプションがあります。
-a ツール定義ファイルで指定されている 1 つまたは複数
の Systems Insight Manager ツールを追加します。
-r 1 つまたは複数の Systems Insight Manager ツールを
削除します。
-m 1 つまたは複数の Systems Insight Manager ツール定
義を、指定したツール定義ファイル内の定義に置き換え
ます。
-i ツール定義内のツールボックスへの変更を Systems
Insight Manager が無視するように指定します。このオ
プションは、 -m 変更オプションとともに使用する場合
にのみ有効です。
-s ほかの操作を実行せずに、指定したツール定義ファイル
をスキャンして構文エラーを検出します。
-c category ツールのカテゴリを指定します。未定義のカテゴリ名を
指定すると、 mxtool は空のツール リストおよび終了
コード SUCCESS を返します。無効なカテゴリ名、つま
りカテゴリ名のルールに違反するもの (mxtool(4) を参
照) を指定すると、無効な名前の終了コードを返しま
す。
-t toolname Systems Insight Manager ツールの名前を削除またはリ
ストするように指定します。未定義のツール名を指定す
ると、 mxtool はどのツールの操作も行わず、終了コー
ドは SUCCESS になります。無効な (ツール名のルール
に違反する) ツール名を指定すると (mxtool(4) を参
照)、無効な名前の終了コードを返します。
-f filename 追加または変更する 1 つまたは複数の Systems
Insight Manager ツールの定義が含まれているファイル
のパスと名前を指定します。またこのオプションは、ス
キャン オプション -s とともに指定する必要がありま
す。 mxtool(4) を参照してください。
-l d Systems Insight Manager ツールの詳細なリストを画面
表示に適した形で表示します。
-l f Systems Insight Manager ツールの、ファイル形式のリ
ストを表示します (この出力は -f オプションへの入力
として使用できます)。
-l n Systems Insight Manager ツールの名前を表示します。
-l t Systems Insight Manager ツールとツール属性の、表形
式のリストを表示します。
-b encoding -lf オプションと一緒に使用する場合は、XML ファイル
の文字エンコードを指定します。
-x 拡張したオプションの値を指定します。これは、次の
キーワードと一緒に使用されます。
force -m オプションと一緒に使用する場合は、システムの中
に強制的に指定します。 または、 -rf オプションと一
緒に使用する場合は、ツールの強制的な削除を指定しま
す。
注記: 重複するオプションを指定した場合 (たとえば、 -f file1 -f file2
など)、 mxtool はオプションの最後のインスタンスを使用します (この例で
は file2 )。
多国語化対応
HP-UX または Linux に関しては、コマンドラインでエンコードを指定しない
場合、システムがXML データの出力に使用するデフォルトのエンコードは、
LANG によって決まります。 LANG が指定されていない場合や、null または
LANG が有効なエンコードに一致しない場合、デフォルトは C になります (
lang (5) を参照)。この場合、ユーザは -b オプションを使用して XML デー
タのエンコードを指定します。
戻り値
mxtool は以下のいずれかの値を返します。
0 正常終了。
1 コマンドラインの構文エラー。
2 ファイル操作エラーまたはファイル解析エラー。
21 無効な名前。
102 Systems Insight Manager レポジトリのエラー。
222 中央管理サーバ (CMS) が初期化されていません。
249 セッションマネージャに接続できません。
250 リモート例外。
例
次のコマンドでは、"/home/user1/defs/mytooldef" という Systems Insight
Manager ツール定義ファイルで定義されているツールが追加されます。
mxtool -a -f /home/user1/defs/mytooldef
以下のコマンドでは、"/home/user1/defs/mytoolmods" という Systems
Insight Manager ツール定義ファイルに基づいてツールが変更されます。
mxtool -m -f /home/user1/defs/mytoolmods
以下のコマンドでは、"/home/user1/defs/mytoolmods"というSystems Insight
Managerツール定義ファイルに基づいてツールが変更されます。
mxtool -m -f /home/user1/defs/mytoolmods -x force
以下のコマンドでは、"badtool" という Systems Insight Manager ツールが
削除されます。
mxtool -r -t badtool
以下のコマンドでは、Systems Insight Manager ツール名のリストが表示され
ます。
mxtool -ln
以下のコマンドでは、Systems Insight Manager ツールの詳細なリストが画面
表示に適した形で表示されます。
mxtool -ld
以下のコマンドでは、Systems Insight Manager ツールの表形式のリストが列
見出し付きで表示されます。
mxtool -lt
以下のコマンドでは、Systems Insight Manager ツールが XML ファイル形式
で表示されます。
mxtool -lf
制限事項
本コマンドは、CMS 上でのみ実行できます。
著者
mxtool は、HP により開発されました。
参照 (HP-UX)
mxexec(1M)、mxtool(4)
参照 (Linux)
mxexec(8)、mxtool(4)