HPのProcess Resource Manager(PRM)を使用すると、システム管理者は、ビジネスが必要としているところに適切な量のシステム リソースを正確に集中させることができます。この強力なリソース管理ツールは、HP UNIXオペレーティング システム(HP-UX)への追加機能として動作します。PRMが有効になっていると、ユーザまたはアプリケーションのグループに対して、システムのCPUの総処理時間、利用可能な実メモリ リソース、および論理ボリューム管理(LVM)システムへのディスク帯域幅の指定された分量の割り当てが保証されます。
PRMは、システム負荷のピーク時(CPU使用率、メモリ使用率、またはディスク帯域幅使用率が100%の状態)に各プロセスが使用するリソースの量を制御するためのリソース管理ツールです。PRMを使用すると、プロセス グループで利用できるシステム リソースの割り当てが、PRMグループの使用を通じて一定の下限値以上に維持されます。
PRMグループとはユーザとアプリケーションの集まりのことであり、各PRMグループには特定量のCPU、メモリ、およびディスク帯域幅が割り当てられます。PRMグループには FSS PRMグループとPSET PRMグループの2種類があります。FSS PRMグループは従来のPRMグループであり、そのCPU使用権はシェアで指定されます。このグループは、システムのデフォルト プロセッサ セット(PSET)内で HP-UXカーネルに組み込まれたフェア シェア スケジューラ(FSS)を使用します。一方、PSET PRMグループのCPU使用権は、システム プロセッサのサブセット(PSET)を割り当てることで指定されます。PSET内の各プロセスには、HP-UX標準のスケジューラを通じて、割り当てられたCPUのCPU時間が均等に割り当てられます。
PRMを使用する目的
クリティカル ユーザおよびアプリケーションの応答時間を改善する。
ユーザが期待するパフォーマンスを設定し、管理する。
費用負担に基づいて共有サーバを割り当てる。
Serviceguardクラスタのアプリケーション パッケージに対し、フェールオーバの発生時にアクティブになる待機システム上に十分なリソースを保証する。
クリティカル ユーザまたはアプリケーションに、十分なCPU、メモリ、およびディスク帯域幅のリソースを確実に割り当てる。
クリティカル アプリケーションを実行することもあるユーザは、別のときに、さほど重要でない作業に従事していることもあります。これらのさほど重要でない作業が、ユーザのPRMグループ内で、使用可能なCPU時間や実メモリに関してクリティカル アプリケーションと競合する可能性があります。このような理由から、アプリケーションを異なるPRMグループに分けるか、ユーザ用に別のグループを作成することが有益な場合がよくあります。クリティカル アプリケーションを専用のPRMグループに割り当てて、このアプリケーションがリソースを必要な分だけ確実に得られるようにすることができます。
負荷の高い時間帯には、優先順位の比較的低いユーザやアプリケーションが使用するCPU、実メモリ、およびディスク帯域幅の各リソースの量を制限する。
たとえば、ユーザが出社して仕事を始めるときや昼食から戻ったときにメール プログラムがディスク帯域幅を大量に専有する場合があります。したがって、mailのようなアプリケーションをリソース割り当ての小さいPRMグループに割り当てて、システムの負荷の高い時間帯にmailが使用するリソースの量を制限することができます。
ユーザまたはアプリケーションごとにリソース使用量を監視する。
ユーザまたはアプリケーションのグループをそれぞれ別のPRMグループに割り当てることによって、ユーザまたはアプリケーションが使用しているリソースをトラッキングできます。
HP Systems Insight ManagerからのProcess Resource Managerへのアクセス
[最適化] [Process Resource Manager]を選択します。次の3つのオプションを使用できます。
PRMの詳細については、HPのWebサイトhttp://www.hp.com/go/prm(英語)を参照してください。
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