このウィンドウには、以下のToken Ring統計情報が表示されます。 ハードウェアおよびサポート ソフトウェアから取得できない情報は、N/Aと表示されます。
フレーム消失エラー数は、送信側のステーションが、送信したフレームが送信元に戻ってこないために送信を終了できなかったエラーの数を示します。通常、ステーションから送信されたフレームは回路を一巡して戻ってきます。フレームが元の状態で戻ってこない場合に、このエラーが増分されます。
このエラーは、別のステーションがリングとの接続を確立または解除しようとして、クロック サイクルに割り込んだときに発生することがあります。稲妻のような大きなノイズ スパイクもこのエラーを発生させる原因となります。
フレーム消失エラーが多すぎる場合には、マルチアクセス ユニット(MAU)またはハブに問題があるかもしれません。ネットワーク アナライザを使用して問題領域をつきとめてください。
内部エラー数は、NICがNIC内部に問題を検出した数を示しています。NICに付属している診断プログラムを実行して、問題を確認してください。場合によっては、NICを交換する必要があります。
過剰受信エラー数は、ステーションが受信したフレームのデータをなんらかの理由でコピーできない場合に増えます。ステーションにデータをコピーするだけのバッファ領域がないことが考えられます。
特定のステーションにトラフィックが過度に集中すると、過剰受信エラーが発生することがあります。あるステーションで過剰受信エラーの状態が続いている場合は、ネットワークの設計を見直してください。あるいは、PC上のソフトウェアが効率的に機能していないために、ネットワークからの割り込みを処理しきれないことも考えられます。
Tokenエラー数は、以下に示すいずれかの理由で、アクティブ モニタによって報告されます。
送信側がフレームをストリップする前にリングとの接続を解除したか、あるいはネットワーク上に2つのアクティブ モニタが存在しているか、いずれかの理由によりリングを1回以上巡回しているフレームがあると、アクティブ モニタによって検出されます。いずれの場合も、アクティブ モニタはネットワークをパージし、状態をクリアにします。
ステーションが高い優先順位でトークンをリザーブした後、ネットワークとの接続を解除しました。高い優先順位をリクエストしたステーションを捜してリングを1回以上巡回しているトークンがあると、アクティブ モニタによって検出されます。アクティブ モニタはリングをパージします。
10ミリ秒間受信されていないトークンまたはフレームがあると、アクティブ モニタによって検出されます。通常、これは、ステーションがリングとの接続を確立または解除したときに発生します。このカウンタが急速に上昇した場合は、同時に複数のステーションがリングとの接続を確立または解除したためと考えられます。たとえば、電源が一時的に切断され、しばらくして回復したような場合がこれに当てはまります。つまり、同時にいくつかのステーションがリングとの接続を確立しようとして、信号の中断を招きます。しかし、この状態が発生した原因がわからない場合もあります。そのような場合には、マルチアクセス ユニットを調べる必要があるかもしれません。ネットワーク アナライザを使用して、問題領域をつきとめてください。
アクティブ モニタが、トークン違反を伴って戻されたトークンを検出しました。このエラーが発生した場合は、そのリングに関係する回線エラーについても確認する必要があります。アクティブ モニタはリングをパージしますが、同時に次の項目を確認する必要があります。
ケーブル 障害 - 短絡または損傷しているケーブリングを通過するパケット データは、宛先ステーションに到着する前に変化してしまうことがあります。回線エラーとトークン エラーを発生させる原因になります。
セグメントの アース障害 - セグメントのアースが適切でないと、アース誘導ノイズが発生し、データ フローに悪影響を及ぼすことがあります。回線エラーを発生させる原因になります。
ケーブルの ノイズ - モータまたは他の機器に起因する妨害やノイズは、信号ひずみを発生させ、CRC /アラインメント エラーを引き起こすことがあります。これが回線エラー カウントを増分し、トークン エラーを発生させる原因になります。
上記の項目をあたってみても問題の原因がわからない場合は、ネットワーク アナライザを使用して、フレームを変化させているステーションを捜してください。アナライザは、問題を起こしているステーションをつきとめ、NICを交換する必要があるかどうかを教えてくれます。
フレーム コピー エラー数このエラーは、NICが自分だけを宛先とするフレームを受信したところ、上流のステーションがアドレス認識ビットをセットし、そのフレームをコピーしたことをそのNICが検出した場合に発生します。これは、同じネットワーク物理アドレスを持つNICが2つ存在し、どちらかのアドレスを変更しなければならないことを意味します。各NICには一意のネットワーク物理アドレスを割り当てなければなりません。
送信ビーコン数は、トークン リングの切断やリング上のNICに欠陥があったときに増分されます。送信ビーコンが1つだけ見つかったのなら、即座に問題を調査してください。
切断は切断地点のすぐ下流のステーションによって、そのステーションがトークンまたはフレームの受信を停止した時点で検出されます。このステーションは、その後一連のビーコン フレームをリング全体に送信し、すぐ上流で切断が起きたことをリングに知らせます。
ネットワーク アナライザが使用できれば、ビーコン フレームを送信しているステーションを突き止めることができます。同様に、ビーコンを送信しているステーションのすぐ上流のステーションがどれであるか知らせてくれます。
送信中断エラー数は、ステーションが、送信を行っている途中で中止デリミタを送ったときに増分されます。
送信中断は、NICが、ネットワークに向けてすでに発信されているフレームの送信を正常終了できないときに発生します。たとえば、NICは、データ ストリームをワイヤに送る速度と同調してパケット用のバッファ メモリにアクセスすることができない場合に送信を中止します。NICは、送信を中止するときに、トークン リングの他のステーションにパケットの無効を知らせる中止デリミタと呼ばれる特殊なビット文字列をワイヤに送ります。
NICの多くはこの送信中断機能をサポートしていません。その代わりに、致命的エラーを発してシャットダウンし、NIC をリングから削除する方法があります。このエラーを報告するのは、送信中断をサポートしているNICです。
このエラーが報告された場合は、NICに付属している診断プログラムを実行して、問題があるかどうかを確認してください。
ステーション削除回数 は、管理者のステーションが「ステーションをリングから削除する」コマンドを発行したときに増分されます。ステーションがリングから削除された理由をネットワーク管理者に確認してください。
ソフト エラー数 は、NICが復旧可能なエラーを検出したときに増分されます。これらのエラーは、一般にノードをトークン リングが出入りしたときに報告されます。これらのエラーは致命的なエラーではなく、発生してもとくに問題はありません。NICはエラーを訂正しようとしますが、エラーはLAN管理ステーションに報告され、カウントされます。他のエラー カウントを調べて、重大なエラーかどうかを確認してください。
ステーション復旧回数 は、アクティブ モニタのステーションが変更されるたびに増分されます。現在のアクティブ モニタがネットワークとの接続を解除したか、あるいはモニタ内部に問題を検出した時点で、別のステーションにアクティブモニタが移ります。この項目の発生頻度が急速に上昇した場合は、他のエラー カウントを調べて、問題がないかどうかを確認してください。
ハード エラー数 このエラーは、通常、送信ビーコンと関連して発生します。項目の値は、ステーションがビーコンを受信または送信するたびに増分されます。したがってビーコンが送信されているときには、エラー件数はおびただしい数になります。
送信ビーコンのカウントも同様に増分される場合は、このインタフェースはネットワークにビーコンを送信していることになります。送信ビーコンが増分されない場合は、このインタフェースはビーコンを送信しているのではなく、他から送られたビーコンを検出しています。
ネットワーク アナライザが使用できれば、ビーコン フレームを送信しているステーションを突き止めることができます。同様に、ビーコンを送信しているステーションのすぐ上流のステーションがどれであるか知らせてくれます。
次の手順を実行してください。
ビーコンを送信しているステーションのすぐ上流のステーションを調べます。トランシーバ、トランシーバ ケーブル、トランシーバの付属部品をひとつずつ取り外します。不良コンポーネントが見つかったら交換します。
ビーコン フレームを送出したステーションのレシーバを調べて、そのレシーバがフレームを受信できるかどうかを確認します。レシーバが正常に動作していない場合は、NICがフレームまたはトークンがないものと誤って認識した可能性があります。NICに付属している診断プログラムを実行して、問題の原因をつきとめてください。
ケーブルの接続を調べて、切断または損傷がないかを確認してください。
マルチアクセス ユニット(MAU)またはハブを調べて、これが原因になっていないかを確認してください。問題があるかどうかを判定するには、MAUに付属している診断プログラムを使用します。
ローブ障害数 は、ネットワークがテスト モードに入っており、マルチアクセス ユニット(MAU)と各ステーションを接続しているローブ ワイヤのいずれかに問題が見つかったときに発生します。ネットワークは、次の2つの条件下でテスト モードになります。
ステーションの電源を入れ、ネットワークとの接続を確立しようとすると、ローブ ワイヤに対するテストが開始されます。テストに失敗すると、ローブ ワイヤ障害が発生します。
ハード エラーが発生すると、NICはテスト モードに入ります。セルフテストに失敗すると、ローブ ワイヤ障害が発生します。
ローブ ワイヤ障害が発生した場合は、次の項目を確認してください。
ケーブル障害 - 該当するローブ ワイヤが正常に動作しているかを確認してください。
リピータ、トランシーバ、またはコントローラ カードの障害 - リピータ、トランシーバ、およびコントローラ カードの不良は、ネットワーク信号の混乱、ワイヤへの不正信号の送信、あるいは入力パケットの無視などの原因となります。そのような場合には、次の手順を実行してください。
NICが絶え間なく送信を行っている場合には、NICが不正信号または「ジャバ(訳のわからないおしゃべり)」の原因です。ネットワークを正常に機能させるために、ジャバを起こしているトランスミッタを交換します。
トランシーバ、トランシーバ ケーブル、トランシーバの付属部品をひとつずつ取り外します。不良コンポーネントが見つかったら交換します。
マルチアクセス ユニット(MAU)またはハブを調べて、これが原因になっていないかを確認してください。問題があるかどうかを判定するには、MAUに付属している診断プログラムを使用します。
回線エラー は、ステーションが回線エラーを検出するたびに増えます。各ステーションはフレームを繰り返すかコピーし、そのフレームの妥当性を検査します。フレーム中のデータが変化していると、変化したフレームを検出した各ステーションはそれぞれの回線エラー カウントを増分します。
信号消失エラー数 このエラーは、通常、バースト エラー、トークン エラー、回線エラー、送信ビーコンなどの他のエラーと関連して起こります。このエラーは、ステーションが一時的にまたは永久にトークン リング上のクロック信号を消失したことを示しています。他のエラー条件を調べて、重大なエラーが発生していないかどうかを確認してください。
バースト エラー数 は、アダプタがクロック遷移の不在を検出するたびに増えます。トークン リング ネットワークでは、バースト エラーは、信号が瞬間的に中断したときに発生します。ステーションがリングとの接続を確立または解除すると、そのつどバースト エラーが発生する可能性があります。
あるステーションのバースト エラー カウントが他のステーションに比べて異常に高い数値を示している場合は、NIC を交換する必要があるかもしれません。たとえば、1日の平均バースト エラー件数がほとんどのステーションで2なのに、あるステーションで27になっている場合には、そのステーションのNICが故障している可能性があります。バースト エラーは、一般に問題の原因となっているステーションのすぐ下流のステーションで検出されます。バースト エラーを検出しているステーションのすぐ上流のアドレスを当たることによって、問題のNICを捜しあてることができます。
リング上で過度のバースト エラーが継続して発生する場合は、マルチアクセス ユニット(MAU)またはハブを交換する必要があるかもしれません。ネットワーク アナライザを使用して問題領域をつきとめてください。
周波数エラー数 は、アクティブ モニタが正しい周波数で動作していないということをステーションが検出したときに発生します。ステーション復旧が実行され、別のモニタがアクティブ モニタとして選択されます。
アクティブ モニタはクロック信号を生成し、各待機モニタに渡します。待機モニタはこの信号を自分の参照信号と比較します。この信号が適正な周波数境界に収まっていないと、周波数エラーが発生します。
注: NICの一部のメーカはこの機能をサポートしていないため、ステーションによってはこのエラーを報告しない場合があります。このエラーは普段起こるエラーではありません。また、アクティブ モニタに問題が起きた場合には、通常他のエラーが発生しますので、障害を起こしているステーションを捜し当てるのにこれを利用することができます。
周波数エラーが起きた場合は、ネットワーク アナライザを使用して、どのステーションが問題を起こしたアクティブ モニタであるかを確認します。アナライザを使用する場合は、問題となっているステーションは現在のアクティブ モニタでないことに注意してください。問題を起こしたアクティブ モニタは、問題が検出された時点でアクティブ モニタではなくなっています。
ACエラー数 は、認識アドレス表示/コピー フレーム インジケータ(ARI/FCI)エラーともいいます。このエラーは、上流ステーションがフレームのビットを正しくセットしなかったことをステーションが検出したときに発生します。
ACエラーが発生した場合は、次回の定期メンテナンスで次の手順を実行してください。
NICが使用しているプロトコルと適合しているかどうかを確認します。ビットをセットしなかった NIC(問題を報告したステーションのすぐ上流のステーション)は、低水準プロトコルに参加しておらず、802.5プロトコルに一部適合していない可能性があります。
NICを交換し、それでも問題が発生するかを確認してください。
単一ステーション構築数 は、インタフェースがリング上の唯一のステーションであることを検出したときに増分されます。これは、このインタフェースがリングに用意された最初のインタフェースであるか、あるいはハードウェア上の問題が存在している場合に発生します。次の項目を確認してください。
マルチアクセス ユニット(MAU)またはハブを調べて、これが原因になっていないかを確認してください。問題があるかどうかを判定するには、MAUに付属している診断プログラムを使用します。
NICとMAUを接続しているケーブルを調べて、必要があれば交換してください。
NIC内部の問題も考えられます。NICに付属している診断プログラムを実行し、必要があればNICを交換してください。